少女 (双葉文庫)
転入生からの話をきっかけに、
人が亡くなる瞬間を見たいという、
残酷な好奇心にとりつかれた、
由紀と敦子、
女子高生二人。
そういう動機からボランティアに。
選んだ先は由紀の方は小児科病棟で、
敦子は老人ホーム。
その中で起こる出来事。
互いを理解しているようで実際の所は
理解できていない。
友達を見る冷ややか目と捻れた心。
この年代特有の友人関係が、
よく描かれていました。
身勝手で不安定な精神状態。
この年頃の少女にとっては普通で、
実際にあり得ると思いました。
前半は二人の少女の話が平行して語られ、
途中から少女それぞれの話が交差していき、
最終的にはぴたりと収まっていきます。
物語の世界ならではの無駄のない
計算尽くしの展開が楽しめます。
登場人物の絡み合った複雑な人間関係。
誰かに説明するには相関図が必要かも、
それが最後には一つにつながる見事さ。
二人の少女の友情回復物語、
ひと夏の成長物語、
…で終えるのかと思いきや、
もう一つラストに、
ひとひねりが…