春の庭
東京世田谷区が舞台。
太郎と、写真集『春の庭』に
撮された家屋に魅了された
女性が主な登場人物。
時の経過がゆるやかな風に乗って
流れていきます。
登場人物達それぞれの関係、
交流、日常が
ありありと描かれています。
風景描写はきれいなのになんだか
消滅するものに対しての寂寥感か、
灰色の薄雲に覆われたような
すっきりしない空気が漂います。
読みやすいけれど、
心が動かされるなんてことは全くなくて、
結局何も起こることなく、
淡々と話が進んでいきます。
住んでいるアパートの隣の、
気になる「水色の洋館」。
そこに以前住んでいた人が
残した庭、お風呂…
それを撮した写真集「春の庭」。
写真集に写された家、内装が
気になっているけど
普通そんなに
心が惹かれるものなのかな?