虚ろな十字架
殺人者の再犯率の高さから明らかなように、
懲役の効果が薄く、
贖罪の気持ちを持てない人間。
人をあやめて自戒のない人間を
虚ろな十字架に縛り付けることは
無意味で無力なのでは。
それに対し虚ろでない十字架を背負い
過去に犯した罪の意識にずっと苛まれ、
その罪を背負い、
人生を無にするような生き方。
登場人物の増加に伴い、
それぞれの人物、
2つの事件の繋がりが明らかにされ
謎が解かれていきます。
子供を喪った小夜子の怒り、
悲しみの大きさは理解できるが
仁科が犯した過ち、
重い十字架を背負いながらの、
罪の償いは今までの彼の行動からして
もう埋め合わせができているのかな。
簡単には裁断を下せないやるせない現実。
回答の得られない重いテーマ。
後半は一気に読んでしまいました。