花ごよみ

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虚ろな十字架  東野圭吾

2014-12-09 | 本 な、は行(作家)

虚ろな十字架

殺人者の再犯率の高さから明らかなように、
懲役の効果が薄く、
贖罪の気持ちを持てない人間。

人をあやめて自戒のない人間を
虚ろな十字架に縛り付けることは
無意味で無力なのでは。

それに対し虚ろでない十字架を背負い
過去に犯した罪の意識にずっと苛まれ、
その罪を背負い、
人生を無にするような生き方。

登場人物の増加に伴い、
それぞれの人物、
2つの事件の繋がりが明らかにされ
謎が解かれていきます。

子供を喪った小夜子の怒り、
悲しみの大きさは理解できるが
仁科が犯した過ち、
重い十字架を背負いながらの、
罪の償いは今までの彼の行動からして
もう埋め合わせができているのかな。

簡単には裁断を下せないやるせない現実。
回答の得られない重いテーマ。
後半は一気に読んでしまいました。







コメント (4)
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