崩れる脳を抱きしめて
碓氷は研修医としてやってきた岬病院で
脳に爆弾を抱えた患者「ユカリ」と出会う。
数ヶ月後にはこの世から消える運命のユカリと、
過去の心の傷を抱える研修医の碓氷。
二人は徐々に互いの心が通じ合うようになる。
碓氷の屈折した心が変化していきます。
限りある残りの日を生きなければならない。
切なさとむごさを背負いながら…。
悲しみで胸が痛みます。
ストーリーは表面的には
穏やかに進行して行きますが
病魔も平行して進んで行くので、
不安感でいっぱいになります。
そんな不安を置き去りにすることはできなくても
行き着いたラストは
穏やかな終わり方になっていました。
読みやすい文章で書かれていました。
途中まではタイトルに反して、
淡い恋愛小説の本かと
思いましたが、
後半は一気にミステリー色が増し、
終盤近くになって、
まさかの二転三転する展開に
騙されてしまいました。
彼女は妄想の人物だったのか?
読んでいても頭がこんがらがってきます。
ラブストーリーと
ミステリーを楽しめました。