花ごよみ

映画、本、写真など・

東京公園 (小路 幸也 )

2011-02-25 | 本 さ、た行(作家)

主人公は写真家をめざしている、
圭司という名の大学生。

彼は公園で遭遇した男性から依頼を受ける。

用件は都内の公園巡りをしている女性を、
尾行して写真を撮り続けるというもの。
女性は依頼者の妻で、
彼女の名は百合香。

写真を撮るのが好きな大学生。
その彼が依頼されたアルバイトが
主軸となる物語。

小さな子供を連れ、
都内の公園に出没する百合香、
その女性をカメラを通して見続ける圭司、
知らず知らずいつの間にか、
彼女に惹かれていく。

舞台となる8つの東京公園。
水元公園、日比谷公園、砧公園、
洗足池公園、世田谷公園、
和田堀公園、行船公園。井の頭公園、

小説に登場する公園を、
すでに知っていたら
きっとこの小説に、
もっと親しみが湧くでしょうね。

物語はというとほんわか暖かい感じ。
日々の中で恋して悩み、
登場人物達の切なくて、
もどかしい心の動きが愛しいです。

誰かを探すのはそこに幸せがあるから
それは生きていく上での本能、
みんな愛すべき人達です。
幸せな方向に進んで欲しい。

圭司の幼なじみの富永とうい女の子も
ちょっと変だけど好感が持てます。
同居者の少し大人びたイケメンのヒロ、
圭司を見守る姉の咲実。
そして百合香。
悪い人は、誰一人出てきません。
いい人ばかり。

たまには誰もあやめたり、
傷つけたり、裏切ったりすることのない
小説もいいものです。

公園って噴水、緑の木々、
お花畑、池に浮かぶ水鳥など、
都会の中にあって、
ちょっぴり非日常的で、
明るく爽やかな空間のイメージ。

読後感も心地よい余韻が残りました。
百合香の行動については
不思議さが残ったままですが…









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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (苗坊)
2011-07-21 19:30:35
こんにちは^^
私もようやく読みました。
小路さんの書かれるあったかい文章がとても好きです。
出てくる人たちも、それぞれ好感が持てました。
心地よい余韻が私も残りました^^

映画のキャスティングはなかなかいいと思います。
でも、原作はそれほど大きな展開はないので、どう映像化されているのか気になります。
きっと結構違う部分があるんでしょうね。
kazuさんのかかれている亡霊が気になります^^;
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苗坊さんへ (kazu)
2011-07-21 20:25:17
こんばんは^^

苗坊さんも読まれんですね。
温かくて優しい物語でしたね。
登場人物もいい人ばっかりで
読後感がいいです。

映画のキャスティング、
ヒロをのぞいては
とてもぴったりな感じです。
三浦君よりイケメンというのは
ちょっとむずかしいですね(笑)

それほど大きな展開はないですが
淡々としていて
それが心地よいです。
ヒロは亡霊で出演していました(笑)

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