はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

やっけたこっじゃ

2006-05-02 07:55:49 | はがき随筆
 一雨毎に庭の雑草が目立つ。昨年までは「お前たちも冬を越せてよかったな」と、口にしてみたいほどの柔らかい葉をそっとなでていたのに、今年は憎らしくなってきた。お前らに忙殺されるではないか。しかも取った後から後から生えてきやがる。そういえば、歳を忘れさせた女性とのメールも、郵便受けを何度ものぞかせた文通もおっくうになってきた。はがき随筆にしても、感動を覚えると、さっさと筆を執ったのに……。
 肉体の衰えと共に精神の萎縮も始まり「こら、やっけなこちヒンなったわい」と、嘆きのため息の毎日である。
   肝付町前田 吉井三男(64) 2006/5/2 掲載
(写真は三男先生宅のお庭ではありません。管理人宅のナチュラルガーデンです、グランドカバー? で土も見えません)