はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春の歌

2007-01-15 16:53:01 | アカショウビンのつぶやき
 信愛コーラスの練習が今日からスタート。
2月に二つのステージが予定されており、またまた多忙な練習が待っているけれど、今日は軽く歌って、あとはティータイム。

「今日は春の歌を歌いましょう」と、発声練習を兼ねた「春のうた」競演。
二つのチームに分かれ、相手のチームが選んだ、春の歌を一緒に歌う。
歌ってる間に次に歌う我がチームの歌を考えなければならない。

「さくらさくら」から始まって「はるがきた」「春の小川」「早春賦」「チューリップ」「楽しいひなまつり」と、次々浮かんだが、ネタがつきる頃には「これも春の歌だよねぇ」と「仰げば尊し」…。
先生も「まっいいかっ」。

そして、川村昇一郎編曲の「春の小川」を、明るく軽やかに「さらさら♪♪♪♪さらさら♪♪♪♪」と音取り。
あとは、先生手作りの美味しいそばケーキを
「いただきまーす」。
     アカショウビンのひとりごと

春の色

2007-01-15 16:18:49 | かごんま便り
 暖かな日差しに鮮やかな色が映えていた。同じ種類のボタンでも、鉢が違えば微妙に色合いも違っていることに気づいた。仙厳園で開かれている「島津牡丹展」。白色や黄色の花もあったが、特に赤色系の花をより観察してしまった。春を迎え、視覚でも暖色を求める気持ちが強かったせいかもしれない。
 さて牡丹の赤い花の色は、一律に牡丹色でくくれるものではなかった。比べて見ると、朱色や紅色に近いものもある。自然の植物が表現する色は美しく、神秘的なものを感じる。しかし、植物は枯れれば鮮やかな色もあせてしまう。
 昔の人はこの色を残そうと植物で染色したり、さらに神秘的な力を得ようと染めた布を肌身につけた面もあるだろう。赤色系の代表的な色の一つ「紅」の染料となる紅花が中国から渡来したのは5世紀とされている。中国では、紅花を精製して高貴な女性たちの化粧品にも利用されていたという。
 以前、読んだ本に、中国では染料の総称を「藍」と言い、呉の国から伝わった色ということで「くれのあい」になり「くれない」になったと書いてあった。色の名に伝わった国の名が入っているのが面白い。
 万葉集には「紅の花にしあらば衣手(ころもで)に染めつけ持ちて行くべく思ほゆ」とある。あなたが紅の花であったなら、袖に染め付けて持って行きたいとの心情が歌い込まれていて、愛されていた色のようである。
 メモ帳を手にボタンを観賞しながら一句ひねろうとしている人も多かった。カメラで撮影する人もいた。こちらは、とりとめのない事を考えながら園内を散策した。日本で初めて移植された孟宗竹がある江南竹林の葉にも春の色を見つけた。若竹色よりも薄く黄味が濃い。この色を記憶して、支局に帰ってから色図鑑と照らし会わせてみた。似ているらしい色は「鶸萌黄(ひわもえぎ)」だった。鶸色と萌黄色の中間色とある。鶸色も萌黄色も単色で、もやっとした色。そこにまた中間色があり、ちゃんと名まであるのには驚き、日本語の繊細さを改めて感じた。
 よく地図やガイドブック、植物図鑑を持って散策に出掛けているが、色図鑑を携えての散策も一興かもしれないなと考えた。四季折々で必ず変化があり、まだまだ知らない色の名も覚える事ができるから。
   毎日新聞 鹿児島支局長 竹本啓自 2007/1/15 掲載

ほどほどに

2007-01-15 15:37:18 | はがき随筆
 正月気分も薄らいで、やっと世の中の歯車が平常に回り出した。私の趣味や体力作りも始動し出した。
 ところが年末年始を風邪に見舞われて少し体力の限界を感じる。12月は、時を走り過ぎた気がする。
 気分は若いつもりでも、実年齢は確実に年を重ねている訳であ。こんな簡単なことを自覚しないで、突っ走ったつけが来るのである。
 反省している。何事もほどほどにを心がけて、私なりの時を過ごさなくてはと肝に銘じる。
 自分の時間を持てる身を幸せに思いながら。
    霧島市 口町円子(67) 2007/1/15 掲載