朝、目覚めることは何とありがたいことか。吐く息も白く、吹く風に身も凍える冬。でも、それがあるからこそ春の匂いが待ち遠しい。庭の赤い椿の蕾が日々ふくらんでいくのを感じながら、夜が明けるのを待つ。しんしんと冷える夜、ただ何か大いなるものに感謝しつつ、毛布をたぐり寄せる。かたわらには老いた父。そして妹が飼い猫2匹と寝息をたてている。すこしだけうらやましいと感じながら、私は私でいいのだ、と幸せをかみしめる。更年期に片足を突っ込んだ私。「負け犬」と呼びたい人は呼べ。1人、幸福感にほくそえむ私を黒猫がくすりと笑う。
姶良町 福崎康代(44) 2007/1/30 掲載
写真はshige☆Hさんにお借りしました。
姶良町 福崎康代(44) 2007/1/30 掲載
写真はshige☆Hさんにお借りしました。