はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

頭の体操??

2007-03-05 14:00:51 | アカショウビンのつぶやき










1週間に5軒のお宅にお邪魔して、ラジオ番組の取材をさせて頂くという、超ハードな頭の体操? をやりました。取材の時間は1時間そこそこですが、帰ってからが大変。編集を担当してくださるOさんは現役の会社員。作業はもっぱら平日の夜か週末です。

インタビュアーの私は全くのド素人、いくらパソコン編集とはいえ、まとまらぬ話を切ったり張ったりして編集するOさんのご苦労は大変なものです。でも彼は、午前様だろうが、徹夜しようが平気、然しご老体は疲れます、とうとう今朝は10時半起床、ゆっくりブランチをすませ、やっとPCに向かいました。ブログをお訪ね下さった方々更新が遅れてごめんなさい。

去年8月にスタートした、コミュニティFM「FMかのや」の「心のメモ帖」という10分番組。不思議に続いているのです、最初は全然自信がなくて、まあいいとこ半年かな、と思っていたのに…。
何が続けられる力になってるのかしら…。

多くの方々にお会いしてお話しを伺っていると、とっても楽しいんです。未熟なインタビュアーですから、相手の方に御迷惑を掛けることもしばしばですが、収録を終えておいとまする頃は、またお会いしたいなあと思いつつ帰ってきます。

先週は鹿屋市のキリスト教系の幼稚園「信愛幼稚園」のお母様方が作られた文集「しんあいひろば」に掲載されたエッセイを紹介するため、今年卒園する年長組さんのお宅にお邪魔しました。ご家族のみなさんにお話を伺うのですが、兄弟の名前を取り違えて度々NG…。「ネームがほしいねぇ」なんてぼやきもでてしまいました。

昨日取材に伺ったKさんは、まもなく関東へ転勤とか、春は出会いや別れの季節です。
駿くん、新しい所でいっぱいお友達を作って楽しいスタートになりますよう祈っています

楽しいお話をいっぱいしてくれた駿君、雄斗くん、未歩ちゃん、歩実ちゃん、剛琉くん、どうもありがと。
    
もう少し眠りたいアカショウビンです

この火を消すな

2007-03-05 13:29:13 | はがき随筆
 夏野菜の予定畑の除草を始めたら、大きな草の周辺には立派な跡継ぎが育っていて、自然のたくましい営みに驚く。先日、病院である高齢者が「長く続いた地区の鬼火炊きはやめたら再興は難しい。中高生に呼び掛け続けたい」と話した。更に高齢者が多く、棚田だけでなく普通田も藪になりそうだと嘆いている。さつま町の初市で、68年ぶりに復活したという人形が100体も一瞬にして完売したという。幸いにも制作の技術が保存されていた。今後はどこにおいても行事や郷土芸能、生業などのよき指導者と理解協力者の発掘と育成が急務である。
   薩摩川内市 下市良幸(77) 2007/3/5 掲載

温暖化

2007-03-05 13:22:09 | かごんま便り
 京都に赴任している同僚が九州に出張に来て、鹿児島に立ち寄った。「うん、これはおしい」。名物のかき氷を一口味わい、口中で吟味した後に感想をもらした。
 この同僚とは高松支局で一緒に働いたことがある。その時には全く知らなかったが、かき氷が好きで食べ歩いたらしい。高松市内の美味しい店をずらりと列挙した。
 「かき氷については、私はうるさいですよ」と言う。氷の削り方、口中でふわっとする解け方などで判断すると言う。中年2人の男が向かい合って食べるかき氷。異様な姿に見えるだろうが、おいしいものは、おいしい。
 今でこそ年中、手に入る氷でも、季節はずれの氷が貴重で、一部の人しか口にできない時代もあった。清少納言は「枕草子」の中で「あてなるもの(じょうひんなもの)」として「削り氷にあまづら入れて、あたらしき金碗(かなまり)に入れたる」をあげている。
 平安時代のかき氷は、金属製の碗に削った氷を入れ、アマチャヅルかツタを煮詰めて作った甘い汁をかけて食べた。清少納言が、氷の削り具合などには触れていないのが残念。
 氷が輝き、しかも急いで食べなければ溶けてしまう。ただ目の前に氷があるだけで幸せ。そんな思いが先にたち、削り方や味まで気が回らなかったのかもしれない。
 氷は雪深い地方で、厳寒期に切り出され、氷室で保存したものだ。約25年前になるが、山口県の山中に明治期に使われた氷室があり、当時の道具が残っていた。凍った清流の表面を切り取り、オガクズなどで包み込んで夏まで保存、販売していたという。
 これらの道具と氷室を使い、天然氷を夏まで保存して食べようと試みたことがある。大学の先生に調べてもらったところ、温暖化で再現は不可能ということで断念した。
 温暖化はさらに進んでおり、福岡管区気象台がまとめた今冬の平均気温をみると、各地で過去最高を記録、鹿児島市は10・7度で2位だった。南極の氷が溶けだし、海面が1㍍上昇すると水没する島や沿岸部に住む人たちが影響を受け、日本の砂浜の約90%が失われる試算もある。
 四季の移ろいもなくなるだろう。子、孫の世代に向け、私たちも身近なところから少しずつ気にかけるべき問題になっている。
   毎日新聞鹿児島支局長 竹本啓自 2007/3/5 毎日新聞・鹿児島県版 掲載

早春の夜明け

2007-03-05 12:58:31 | はがき随筆
 暖冬のせいか2月というのに、早春という感じの夜明け前。昨日の午後から降り出した雨が夜半に上がって、闇の空に星がいっぱいまたたいている。
 九時就寝、4時起床の日課を続け、早朝散歩。さまざまな自然の美しさに出会えるのは楽しい。
 今朝は珍しく北寄りの空に北斗七星を探し当てた。例の幾何学模様を見せて輝くように光っている。
 気温は高く空気は濡れたまましっとりと動かない。
 やがて空が明るくなってくる夜明け前の静けさの中に、足を止めてしばらく空を眺めていた。
   志布志市 小村豊一郎(81) 2007/3/4 掲載

至福の一刻

2007-03-05 12:56:21 | はがき随筆
 「お客様に触れる手を守るために、家事は手袋をはめてするんですよ」。彼女は言った。始めて訪れたパリ式マッサージ店。ハーブティーを入れてくれる彼女の柔らかい笑み。α波がどっとあふれてくるのがわかる。室内にはインドネシアの民族音楽が流れ、オリエンタルな心地よい香りに満ちている。凝りに凝った肩が、手のしびれが吹き飛んだ気さえする。何よりも私を癒してくれたのはマッサージでもない。「お客様がこんなに喜んでくださるなんて……」と言った彼女のはにかむような微笑み。私が〝お姫様〟になった一瞬。 
   姶良町 福崎康代(44) 2006/3/3 掲載
写真はちょびさんよりお借りしました。

落花生

2007-03-05 12:49:45 | はがき随筆
 日本の食糧の自給率は随分と低い。大丈夫なのかと心配になる。例えば落花生など日本産のを探してもほとんど見つからない。中国産のものばかりだ。鹿屋市の花岡など産地だったのに。
 先日、転勤族のYさんから千葉県産の落花生が送られてきた。元気を出してというメッセージ付きで。
 美味しいの一言に尽きる。とにかくぽりぽりと歯ごたえがあり、味がいい。中国産のと全然違う。一粒一粒に友の優しさを感じつついただく。夫に供えたり、落花生味噌を作ったり。
 感謝!
   霧島市 秋峯いくよ(66) 2007/3/2 掲載

同窓会に行く

2007-03-05 12:26:46 | はがき随筆
 同窓会に行く。教え子の成長ぶりに驚く。何と言っても年齢差を感じない。中学生のころ、20歳もの差があり、今、身格好やら考え方、見方も私以上である。教える側が逆転というか、私の方が弟子の1人とも言える。教え子の子どもたちも成人式を迎えるやら、満2歳の誕生日を迎えたばかりやら、人生の生き方のさまざまを感じる。教え子が還暦を迎えるころ、81歳になる。あと14年の歳月。新たなる遭遇に出会うこともあろう。プラス思考で、どう対処し心豊かに生活していくか。お互いに人生課題の一つとして、心の成長を遂げていこう。
   出水市 岩田昭治(67) 2007.3.1 掲載