はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

冬の雨が降る

2007-03-09 15:35:21 | はがき随筆
 寒い夜、みんな寝静まって、おれは畳の部屋に1人居る。
 外はしとしと冬の雨が降る。
 今日、おれは正直に生きたか。
 人を傷つけはしなかったか。
 自問……。
 自答……。
 外はしとしと冬の雨が降る。
 こんな夜は長渕剛や吉田拓郎は似合わない。
 小椋佳の〝雨だれの唄〟がよく似合う。
 「雨だれの音が優しかった……」
 ふと口ずさむ。
 外はしとしと冬の雨が降る。
   鹿児島市 川端清一郎(59)2007/3/9 掲載