子供のころ、4月8日はお釈迦様・花まつりの日であった。
お寺から出張った屋台の台座に小さいお釈迦様が甘茶を浴びて赤銅色に輝いていた。
小さい茶瓶に入れてもらった甘茶と飴玉などの入ったおひねりを大事に抱えて急いで帰り、待ち構えた両親に渡すと、仏前に供えた団子や桜餅などを柏の葉に乗せて食べさせてもらうものであった。
華やいだお釈迦様と甘茶の日、いつしか意識の薄れた4月8日は何時の間にか過ぎていて、甘茶の香りがふうっとかすめた侘びしいひととき。
南さつま市 寺園マツエ(85) 2007/5/3 毎日新聞鹿児島版掲載
お寺から出張った屋台の台座に小さいお釈迦様が甘茶を浴びて赤銅色に輝いていた。
小さい茶瓶に入れてもらった甘茶と飴玉などの入ったおひねりを大事に抱えて急いで帰り、待ち構えた両親に渡すと、仏前に供えた団子や桜餅などを柏の葉に乗せて食べさせてもらうものであった。
華やいだお釈迦様と甘茶の日、いつしか意識の薄れた4月8日は何時の間にか過ぎていて、甘茶の香りがふうっとかすめた侘びしいひととき。
南さつま市 寺園マツエ(85) 2007/5/3 毎日新聞鹿児島版掲載