はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「自分の字が怖い」

2013-04-02 23:13:48 | 岩国エッセイサロンより
2013年4月 2日 (火)

 岩国市  会 員   山本 一

 妻の買い物メモに何か貼り付けてある。よく見ると、私の自筆メモの一部だ。それも、何と逆さまに貼ってある。
 妻に「なぜなの」と詰問。「えっ、逆さまだった。機番のようなので、写し間違えないように、そのまま切り抜いて貼ったのよ。宇が汚くて読めやしないんだから」とのたまう。
 会社では3悪筆と言われていた。手帳の字が自分でも読めないことがある。それにしても、上下が分からないほど読み難い字とは思わなかった。在職中はどれだけ多くの人を困らせたのだろうか。今さらながら、自分の字が怖い。

  (2013.04.02 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロン より転載

プリン

2013-04-02 22:49:13 | はがき随筆


 1人のわび住まいに室内犬のトイプードルを飼っている。夫が亡くなった当時に生まれており、何か因縁を感じて。不思議なことに仏間の座布団がお気に入りで安心して寝入っている。生後2カ月で家に来た時は、手のひらに丸まって愛くるしく皆の人気者に。名前はプリン。愛称はプー。名付け親は孫である。愛嬌があり、人の気配には敏感に反応し、私との意思の疎通も十分で賢い。夜は傍らに寄り添って癒やされる。何より孫たちが頻繁に訪れ、にぎやかになり、さびしさも忘れる。一石二鳥の効果あり。プーちゃん、これからもどうぞヨロシクね!
  出水市 井尻清子 2013/4/2 毎日新聞鹿児島版掲載

親猫ラビ

2013-04-02 22:28:55 | はがき随筆


 ドライブの帰り、カヤの中で2匹の子猫が泣いている。猫大好きの妹に即電話したら「最近親猫が死んで悲しい」と。仕方なく自宅へ。3日後、見知らぬ親猫が1匹介入。また妹に相談。今度は「もらいます」と。来宅して親猫を抱き「かわいい」を連発。名前をラビと付け、子猫6匹と共存。楽園の中で、生涯50匹出産して姿を消した。我が家の子猫は、1匹行方不明、残り1匹は留守番を頼むと、門柱の上で見送り、帰ると買い物袋に飛び着く。成長して雄猫に追われ、交通事故死した。妹宅は猫たちの恩返しか、繁栄して何事も順調で幸せいっぱい。
  肝付町 鳥取部京子 2013/4/1 毎日新聞鹿児島版掲載