噴火の痛手を気にしながら中岳散策路へ向かった。地底からの招かれざる客は色彩豊かな小さな砂利に見える。しみじみと踏みしめて歩く。ツツジは白いサンゴのように立ち枯れしていた。それでも元気に花を咲かせている新芽にはほっとする。
木陰で弁当を広げたその時、夫が声を殺して指をさす。すぐ近くを茶色いうぶ毛のヒナが1羽よちよち歩いている。私は行方を見守った。危険を予知したのか、早足で道端の茂みの中へ。巣立ちには難しそうなところ、無事を祈るばかりだ。
初めての「ショー付き山ランチ」の味は格別だった。
薩摩川内市 田中由利子 2013/7/3 毎日新聞鹿児島版掲載
木陰で弁当を広げたその時、夫が声を殺して指をさす。すぐ近くを茶色いうぶ毛のヒナが1羽よちよち歩いている。私は行方を見守った。危険を予知したのか、早足で道端の茂みの中へ。巣立ちには難しそうなところ、無事を祈るばかりだ。
初めての「ショー付き山ランチ」の味は格別だった。
薩摩川内市 田中由利子 2013/7/3 毎日新聞鹿児島版掲載