猫が警察署に居候しているという話をいとこが持ち込んできた。大けがをして弱っているところを警官が保護、手術や入院時につきっきりで看病、リリイという名前までつけて世話をしているという。それを聞いてから約1カ月過ぎて、やっと警察署に会いに行くことができた。姿が見えなかったが、女性の署員が「リリイ、リリイ」と呼んでくれた。カミさんも「リリイちゃん、お土産持って来たよ」と呼びかけたら出てきた。身体をさするとあおむけに寝て甘える。
いかめしい警察署に居候する猫と戯れ、老夫婦はほのぼのとした気分になって帰ってきた。
西之表市 武田静瞭 2013/7/24 毎日新聞鹿児島版掲載
写真は武田さん提供