「孝介」「はい、先輩」。夫婦のお互いの呼び方である。縁戚の若者、まだ新婚といっていいだろう。この呼び方、古い私たちには少々違和感がないでもないが、またユーモラスでもある。新婦は新郎より二つ年上、2人は婚前から現在も同職場で働いており、新郎が新入りのころ新婦はその面倒をみてきたのである。結婚してからも職場での呼び方を続けているようだ。
新婦は新郎の親の前では呼び捨てを遠慮しているようだが、2人だけのときは相変わらずである。2人は琴瑟相和している。まもなく子宝も授かる由。夫婦百態、多幸を祈っている。
鹿児島市 野崎正昭(89) 2021/1/16 毎日新聞鹿児島版掲載