はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

温暖化対策

2007-12-27 16:48:32 | かごんま便り

 前米副大統領のA・ゴア氏がノーベル平和賞を受賞した。地球温暖化の啓発に尽力したというのが受賞の理由。ゴア氏は環境問題をライフワークにしており、活動ぶりがドキュメンタリー映画「不都合な真実」(06年)として紹介されている。
 「不都合な真実」は、上映が政治活動につながるとして裁判ざたになったり、彼の主張に不正確な点があるとの批判が出るなど、いろんな意味で話題を呼んだ。だが70年代からいち早く地球温暖化に関心を寄せた先見性や、精力的に各国で講演を繰り返してきた実績はさすがだ(森博幸・鹿児島市長も市報「かごしま市民のひろば」12月号で絶賛)。それだけに世界最大の二酸化炭素排出国である彼の母国が、今なお国際世論の足並みに同調していない点は何とも皮肉だが……。
 同市環境アドバイザーの末吉竹二郎さんが講演で、温暖化を巡るショッキングな話題を取り上げていた。「北極海の氷が今夏、最小になり、80年当時から面積が半減した。2020年夏には消滅するかもしれない」「コシヒカリが、かつて米作に不適とされていた北海道以外では作れなくなる恐れがある」──など。
 「温暖化対策に『やり過ぎ』はない」と末吉さんは早急かつ強力な取り組みを訴える。それには我々一人一人が「できることをやる」ことなしには始まらないし、実効も上がらないと思う。
 たとえば、近場の移動は徒歩か自転車で▽買い物にはマイバッグ持参▽無駄な電気を使わない▽きちんとゴミを分別し可燃ゴミは最小限に──といった具合だ。こうした小さな意識改革こそがさまざまな施策の下支えになる。
   ◇
 今年最後の鹿児島評論でした。少々早いですが皆さん良いお年を。年明けからはタイトルを一新します。引き続きご愛読ください。

鹿児島支局長 平山千里
2007/12/25 毎日新聞鹿児島版掲載



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