ミルキーと言えば、ママの味。そう相場は決まっている。だが、この夏、不二家が塩味のミルキーを売り出すという。その名も「しおミルキー」。
同社のホームページによれは、宮古島産の雪塩を約1%使用。雪塩は珊瑚によって天然濾過された地下海水から作られており、ミネラル成分も豊富とか。
塩を効かせた食品はミルキーだけではない。アメや機能性飲料などで熱中症対策を念頭にした塩味商品をメーカー各社が開発、販売している。背景は節電。この夏、エアコンの温度が高めに設定される。汗をかく。熱中症が心配だ。そこで塩入りのお菓子や飲み物がお勧めという(6月29日付の本紙経済・総合面)。
世の中、まわり回って甘いお菓子も塩辛くなるのか。
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今しばらく梅雨が続くと思いきや、九州南部はあっけなく梅雨明け。はて、こんなに早かったかしら。昨年よりも22日早いという。
そう言えば、梅雨期に台風もやって来た。「これって梅雨? もう夏なの?」と首をかしげたくなった。
5月に台風が来た時、ラニーニャ現象が影響したという解説記事が掲載された(5月31日付の本紙対社面)。南米ペルー沖の海水温が低くなるのがラニーニャ現象。ラニーニャが起きると、フィリピン付近の海水温が高くなる。すると、台風が発生しやすい。
遠く地球の裏側の海水温が、まわり回って台風に影響するわけだ。
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冒頭、塩味のミルキーに驚いたと記した。しかし、ママの味って甘いとは限らない。
手塩に掛けた愛情も、子の成長にうれし泣きする涙の味も、きっと舌先には塩辛いはず。
鹿児島地方気象台によれば、今月は平年より晴れが多いとか。塩味ミルキーもありかもしれない。
鹿児島支局長 馬原浩 2011/7/4 毎日新聞掲載
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