はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

暑さ寒さも

2013-09-26 11:27:53 | ペン&ぺん


 皆さんはお彼岸をどのように過ごされただろうか。毎年、この季節になると、亡父や先祖の墓参り、墓掃除をしなければと思っているが、実行できていない。同僚デスクは実家の用事や親の世話などで長めの休みを取った。「もうこんなことを考える年齢になったのか」と実感している。
 19年前、最初に鹿屋通信部に赴任した時、大隅半島を含め県内の墓地の多くに花が生けられ、いつも綺麗にしてあったのが印象深い。桜島の降灰がかぶらないよう屋根で覆われたお墓もある。転勤族で他県を回ってきた私には、鹿児島の人たちが先祖を大切にしていることが伝わってくる。 
 9月に入り、多くの学校から運動会の案内が届く。本県だけでなく、他県も今月中に運動会を終わらせることが多い。来春の受験を踏まえてのことなのか。運動会といえば10月。気候的にもちょうどよかったのだが。
 母校(小中学校)は在校生も多く、運動会で最もにぎやかだったのは校区内の各町内が競う町内対抗リレーだった。例えば、小学校なら1~6年で1人ずつ代表選手が出場、これに親や教師も加わるから盛り上がらないわけがない。テントの中で応援していたおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんもいつのまにかグランドに飛び出し、声をからして応援した。まさに運慈雨会の〝花形種目〟だった。
 でも少子化で児童、生徒数は減り、プログラムを組めない。古里で就職して結婚し、子供がたいたら、保護者代表で自慢の走りを見せてあげられたのに、しかし、もうそれはかなわない。
 台風18号の影響で今日となどが水害に見舞われ、増水し荒れる桂川に驚いた。桜島の灰も最近、鹿児島市中心部に振り、時々体に当たって気になる。台風はこれかも日本にやってくる。桜島を含め、自然には備えを怠らぬよう万全を期したい。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/9/25 毎日新聞鹿児島版掲載
 

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