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風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

蕎麦の唐揚げ、そして蕎麦掻き 578号

2009年06月28日 05時35分01秒 | 随想
名古屋桜本町の従兄との旅は恒例となった。土曜日のETC千円乗り放題とシナジードライブのプリウスの相乗効果の経済旅で、今回は援農先の飯田市座光寺の果樹園を案内する。

名鉄鳴海駅で合流し、伊勢湾岸道の豊明インターから土岐ジャンクションで中央道を走り、駒ヶ根に行く。馴染みの「福寿美」で人気の盛蕎麦半カツ丼の昼食を頂く為である。

カツ丼はキャベツの上に、ソースに漬けた豚カツが乗っている。名古屋では味噌ダレ、通常は卵トジを見慣れている。旨かった豚カツだった。長野では馬肉の刺身も名物であり、引き分けである。

「蓼食う虫も好き好き」は苦く辛い葉を食べる物好きな虫がいる様に、人の好みは十人十色であるが、蕎麦粉は、タデ科の一年草ソバの実を挽いた粉である。

一番粉(更級粉)・二番粉・三番粉・末粉。更科蕎麦・田舎蕎麦・藪系の蕎麦。十割蕎麦(生粉打ちそば)・二八蕎麦・外二八蕎麦・五割蕎麦。手打ち蕎麦は、職人の取捨選択で千差万別多種多様の工夫がされる。

信州蕎麦・戸隠蕎麦・善光寺そばは長野県の名物である。蕎麦以外育たない不毛の地だった信濃の国のご馳走だった。飽食のマック世代の若者は、高学歴の知識の姨捨棄老伝説を誤解し老人の話を粗末にする。

蕎麦の唐揚げ、蕎麦掻が座卓に並ぶ。注文した覚えが無い。初めての料理で美味しく頂く。切り蕎麦は山葵、蕎麦掻は生姜、刻み葱の漬け汁を蕎麦湯で薄めて飲干す作法は禅寺を真似ている。

果樹農家と蕎麦屋は親戚で、女将の気遣いだった。「金の切れ目が縁の切れ目」の刹那的一期一会の現代社会に、心の連鎖の義理人情の古き良き故郷が残っている。感動が語り継がれ、永遠に継続する事が伝統文化で守られねばならない貴重な遺産である。

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