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風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

唯一の仲良しクラブの時 195号

2007年11月05日 09時35分35秒 | 随想
ドラゴンズが職業野球の覇者に成って初めての日曜日は、興奮醒めやまない報道がテレビの番組に目白押しである。評論家がさまざまな意見を述べて、盛り上がる。

山井投手の完全試合の可能性を否定した落合采配を非難する声が当然ある。山井個人の大記録の温情に心がぶれたら、俺流は消滅するのである。日本一の大志に向って非情に成れるのが、監督としての落合博満なのである。現場の責任者は孤独で、あらゆる責任を背負っている。そして荒木の超美技が無ければ、パーフェクトゲームは幻と成っていた。野球はチームプレーが原則である。

MVP(Most Valuable Player)は中村紀洋になったが、攻・走・守の三拍子で活躍をした荒木雅博を推薦する人がいる。決定の過程は不明であるし、決定権者も判らない。そして賞品はどんな物なのだろうか。昔は賞品の自動車に跨って、写真に納まるのが、定番シーンで、喜びで一杯の表情なのであるが、中村紀洋は嬉し涙の会見である。そして周囲の多くの人に感謝の言葉を述べている。金銭争奪闘争に敗北した彼が、人間に回帰した瞬間である。日本も物質文明から、心の時代に移行する予感がする。

チーム内にはたくさんの野球理論が存在し、優秀な個人が、優勝に向かって切磋琢磨するのが職業野球道であるから、競争原理の闘争が存在する。優勝の後のビールを浴びせる儀式の時は、すべて球団関係者が、主義主張を忘れ仲良く一丸になる唯一の時であり、お祭りのドンちゃん騒ぎである。宴の後はしばしの休息の後、練習を再開して、次の日本一完全制覇の目標に向かって、地味な活動を開始する。列車と同じ終着駅は始発駅で、歴史は繰り返すのである。

種々雑多な考え・思いが存在し、個性のぶつかり合いは自然である。賛同してくれる人は33%なのである。33%は必ず反対する。33%は風見鶏なので、66%が味方になれば大成功である。全員が同じ金太郎飴人間や軍人のロボット社会・付和雷同社会は弱く危険な不気味な社会である。

「仲良しクラブで、優勝できて、三冠王になれればそうするよ。そんな訳ないだろう」現役の時代の落合語録である。聖徳太子の「和をもって貴しとし、忤(さから)うことなきを宗とせよ」ではなくて、論語の「和して同ぜず」の個の確立を成し遂げ、主体性を持って行動することを言っていると思う。そして落合博満の信奉者になった。 

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