風来坊参男坊

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道後温泉本館は単純泉 427号

2008年12月24日 06時00分15秒 | 随想
温泉温度46度で源泉掛流しの四国道後温泉は、日本国内でも最古で3000年の歴史を持つといわれる温泉である。そして今も高温の湯が湧出している。地球の営みは絶える事無く、悠久の時を継続する。

596年聖徳太子が病気療養のため道後温泉に滞在した記録がある。そして多くの皇族が行幸・行啓された。

行幸(ぎょうこう、みゆき)とは、天皇が外出することである。皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃の旅は行啓(ぎょうけい)と述べて区別する。

道後温泉本館は単純温泉で昭和23年法律第125号の温泉法による規定を満たした温泉のうち、温泉1L中に含まれる溶存物質の含有量が総量100g未満である。

近年、道後温泉本館も法律で塩素消毒となり、伝統の歴史に終止符を記入した。国際化社会は雑多な風俗・習慣が流入しモラルが低下したことや、文明の進化は新型の病原菌の目を覚ましてしまった。

塩素消毒の専門施設のスーパー銭湯は、肉体を清潔に保つ銭湯の機能のほか、本来の内湯は当然として、露天風呂、ジャグジー、サウナなど娯楽風呂、さらに食事処、床屋、エステ、居酒屋、ビアガーデンを併設する公衆浴場である。多くの趣向を満喫すると札束に羽が出現し、足が生え逃げ去る。

大規模温泉宿の夕食時には、客が餌場に群がり、食い散らかすバイキング。ゲージ内のブロイラーや豚舎・牛舎の住人となんら変わらない。大地に放し飼いにされる比内鶏、牧場の牛、北海道に放牧されるサラブレットが本来の姿である。

温泉に入浴し、時間を掛けて、その成分を吸収し、元気を回復する。その一事に専念することが湯治である。単純なのが温泉の原点で、道後温泉本館は石の浴槽だけの単純泉である。

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