眼鏡紛失大捜索 ７４号

休日の朝、起床して恒例のパソコンメールをチェックして、ブログの記述を終了した。庭の枝豆の成長具合を観察する為に、遠近両用眼鏡を探した。見つからない。昨晩は焼酎の深酒で酔っ払って寝てしまったのである。過去の映像を思い出し、行きそうな所を徹底的に探した。整理整頓して、いらない物を捨てて、家の中が随分奇麗になった。
以前には、箪笥の下着を収納してある引き出しのパンツの上で発見した経験がある。なんでそんなところに眼鏡があるのか思い出せないのである。深層心のなせる業である。
発見できない。捜索に万策尽きて、眼鏡を購入することを決断した。
巨大ショッピングモール「イオン」の贔屓にしている眼鏡屋に行き、店の最低価格のフレームとレンズで９４８０円の物を選択した。遠近両用レンズにすると２５０００円になる。直ぐに紛失するから、近眼のレンズだけの眼鏡にした。吾ながら上手い理由で、見栄を張り、自尊心を満足することができ、店員を納得させ、出費を抑えることが出来た。私は策士なのだ。
検眼したところ視力の低下が著しい。5年前の眼鏡のデータが保存してあり、眼鏡を再現して、検眼シートを試したが、見え方に格段の違いがある。老齢の為に見難くなったと思い込んで諦めていたのであるが、実は眼鏡の度数が合わなかったのである。私はまだまだ若いのである。
店員は、安い眼鏡を長期間使用したことに感心していた。態度には出さないが、心の中では「儲からない客」ときっと思っていることだろう。この店員は唯物論者に違いない。人の視力を心配してくれるなら、もう少し値引きしてくれてもよさそうであると思った。物万能の世間に抵抗する為には、物を大事にすることである。近くを見る時には虫眼鏡を使用して、ラジオを聴いて時間を過ごすと、眼鏡が痛まない。眼鏡がどうしても必要なのは、運転免許証の限定条件(眼鏡等)を満足する為なのである。捻くれた考え方で、憎まれることだろう。長生きする為には憎まれることである。「憎まれっ子世に憚る」と言うじゃないか。