風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

やはり野に置け蓮華草 75号

2007年05月07日 08時51分05秒 | 随想
人を大別すると、攻撃型人間と守備型人間がいる。「攻撃は最高の防御」であると考える人と、「負けるが勝ち」あるいは「損して得取れ」という思想の人である。漫才でいえば「ツッコミ役」と「ボケ役」である。野球なら打者牽引型と投手守備主役型である。列車なら機関車牽引と電車分散動力である。ギャンブルなら大穴志向と銀行レース志向である。

攻撃型人間主導となると、活気が有り、華やかであるが弱肉強食になりがちである。守備型人間が指導すると、地味で堅実で大波乱はないのである。狩猟民族型・農耕民族型や男社会・女社会や肉食動物・草食動物とかの言葉に置き換えられる。能動・受動や外交的・内向的とか勝ち組・負け組と分類したりする。

仲間の宴会は、総費用を人数で割る「割勘」決済が主流である。「飲めないから損だ」や「食いまくらないと損だ」グループやカラオケ・雑談・接待役に徹する人など千差万別である。各人価値観が違うことを承知した人が大人なのだろう。更に進んで二極分化を否定できる人が、坊さんであるが、俗世間では難題である。

攻守両面を備えた人がいると、集団は円滑に機能する。左右と真中の3人によるトロイカ方式といわれる集団指導体制である。阿弥陀さんの左右には観音菩薩・勢至菩薩が脇持している。バランスが崩れると、弊害が出る。格差社会が話題となるのは異常状態で、ヤジロベイが傾いている。

禅僧の青山老尼の「人に勝つことは楽であるが、自分に克つ事は難しい。自分に克つことが出来る人にして初めて、人に負けることが出来るのであり、こういう人こそ「大人」と呼ぶのであり、取り組みがいのある修行といえよう」

二十八代立行司・木村庄之助の「勝って騒がれるよりも、負けて騒がれる力士になれ」

弱みをさらす、騙される、尽くす、退く、逃がす……、人に負けている演技をして、品よく勝ち組になる「損して得取れ」は将来の大きな利益のために、目先の損を捨てよ、ということである。

結婚式場には蘭やカトレヤのような華やかな花が似合う。蓮華草は直ぐに枯れてしまう。やはり野に置け蓮華草である。それぞれには持ち場がある。

こんな言葉を選択する私は完全に負け組思想の信奉者である。しかし「それが何で悪い。文句があるのか」とアルコールの助けを借りて攻撃する、自信を持って言える「攻撃型負け組」である。だけど誘惑に弱い私には勝っている、もう一人の私がいる。

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