茶色の小瓶 １０９号

グレン・ミラーはアメリカのスイングジャズバンドのリーダーである。パリが開放されて、グレン・ミラー楽団も音楽番組の定期ラジオ放送をパリでおこなうためにロンドンから飛行機で移動した。一人だけ楽団員とわかれ、搭乗した専用機が、ドイツへの爆撃から帰還する途中のイギリスの爆撃機が上空で捨てた爆弾に当たり墜落し、私の誕生年の1944年12月15日に死亡した。行方不明である。

映画「グレン・ミラー物語」のラストの場面である。
『グレン・ミラーはクリスマスのこの日、妻のヘレンと昔に町のレコード店で聞いた古い曲をアレンジして発表する予定であった。
自宅で悲しみの中でクリスマスツリーの飾り付けも終わり、ヘレン未亡人は番組の開始を待つのである。
「ムーンライト・セレナーデ」のオープニングナンバーの演奏で放送が始まり、司会者のナレーションがはいる。
「今夜はパリからの放送です。しかしグレン・ミラーはここには居ません。今からお送りする曲はクリスマスの今夜、ご遺族に捧げるために作られた曲です」
ラジオから「茶色の小瓶（リトル・ブラウン・ジャグ）」を耳で聞き、ヘレン未亡人の目から涙が溢れ出る』

ジャズ発祥は、明治時代末期から大正時代のアメリカルイジアナ州ニューオリンズである。世界中の民族や文化が集まる港町ニューオリンズは、黒人や白人、またクレオール（黒人とフランス系白人との混血）などの音楽文化が混在していた。人々の労働歌、ブルース、ゴスペル、軍歌ブラス・バンドといった音楽に、オペラや室内楽などのヨーロッパの伝統音楽や黒人霊歌などアフリカの伝統音楽の要素が加わり、アメリカ独特の新しい音楽表現として生まれたのがジャズである。

３月生まれであるから、同級生の中では若く、知能の発育が遅れ気味となり、結果大学受験で不合格となり、浪人して一人寂しく勉強した時に、聞いた曲が「茶色の小瓶」である。４月２日生まれと、翌年の４月１日生まれが同学年では差が有り過ぎる。少子化が進み教室が余り、先生が過剰なら細やかな教育奉仕の制度改革をすべきで、大学は春夏の半年間隔の入学試験を考える時期だろう。時間的に成長が遅れ小さくて虐められた過酷な過去の経験から提言しているのである。

「茶色の小瓶」に入った焼酎を飲みながら、インターネット配信の「茶色の小瓶」を聞きスイングし、映画「茶色の小瓶」のラストシーンで涙して、本日はお開きとして、寝ることにする。