風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

大相撲は古典芸能 434号

2009年01月01日 08時34分28秒 | 随想
昔歌手の海老名泰葉がプロレスラーになり、勝利した。

フランク・シナトラを真似て、プロレスのリングで歌う夢を実現する為に、新興組織「ハッスル」の支配者高田総統の脅迫に負け、強制的にプロレスラーとなってしまった。対戦相手アン・ジョー司令長官を「回転海老名固め」で降伏させた。

彼女は「どうもすいません」・「身体だけは大事にして下さい」・「もう大変なんすから」・「ゆうべ寝ないで考えたんすから」の言葉シャワーで爆笑させる落語家・林家三平の娘で、春風亭小朝と最近離婚し記者会見で謎掛問答をした。

「離婚と掛けて、泰葉と解く、心は怖さ(小朝)知らず」

格闘技のプロレスは筋書きのあるドラマだった。そして誰もが泰葉の勝利が暗黙の了解事項の八百長だった。脚本の物語、動きの美しさに多くの観客は満足する。

伝統組織の財団法人・日本相撲協会の大相撲は格闘技の国技である。心技体の究極の美を極めた力士が横綱を張り、神として君臨する農耕民族の宗教だった。

牧畜民族のモンゴル人種の朝青龍を頂点とする現代相撲は変質した。勝つ為にはなんでも有の無法集団。金の亡者のアウトローの戦いは醜く、生存競争の野獣集団である。相手を思いやる「かばい手」を敗北と主張する横綱で満員御礼。横綱不在の場所は閑古鳥。

古き良き時代の日本人と逆の行動規範。日本人は何処。権力闘争の敗北者を慈しむ判官贔屓の勧進帳の歌舞伎の美に涙する日本人は何処。

子供との相撲でわざと負ける大人の八百長相撲。子供の体を守り、心を強靭にする教育者の態度。それを支持する大人の集団。古き良き時代の日本だった。

伝統相撲が牧畜文化で変質した現在、狩猟民族・アメリカ発祥のプロレスに日本の伝統の格闘技の心を発見したオイラは日本人なのだろうか。農耕・牧畜の混血児の国際人なのだろうか。多くの価値基準を容認する多神教の仏教徒の日本人であるおいらは変幻自在なのである。西洋医学では精神分裂なる病名をカルテに記入しても「そんなの関係ない」と無視する勇気がある。


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