美しい日本は春夏秋冬の四季がある。北の冷たい高気圧が優勢な冬、南の高気圧が勝利の夏、その狭間が春であり、秋なのだろう。
南北戦争が激化する時期が、晩春初夏のナタネ梅雨であり晩夏初秋のススキ梅雨。
秋霖で長雨の連続の日々である。つかの間の晴れ間、農作業に精を出し肉体は疲労困憊で爆睡、天候不順の毎日が日曜日なら吉夢や悪夢で飛び起きる。
「大変だ、遅刻だ」
善光寺の城下町で親父御袋兄弟姉妹が宴会中の夢、荷造りを始め、草木も眠る丑三つ時に街を徘徊する、呆け老人だろう。
「なんだ夢か」
枕元の焼酎で水割りを飲んで夢を懐かしむ、正常な老人だろう。
朱夏の人間界から、玄冬の仏界の人生のススキ梅雨期なのだろう。