渡始式も絶滅危惧種 ７２３号

五十鈴川に架かる俗界と聖界を結ぶ宇治橋。平成２５年の式年遷宮を前に架け替え工事を終了し、１１月３日には親子孫の三世代夫婦が揃って神職に従う渡始式がある。

高学歴社会の結婚適齢期は年々上昇している。女性は自己実現を志向して自立し、家庭に縛られる子育てを敬遠する少子化社会である。

親父３４歳の息子が３１歳で男子に恵まれた。孫が２０歳で伴侶に恵まれれば、８５歳の爺さんは次回の渡始式に間に合う。その次は１０５歳の時で至難である。もっとも三男坊で息子が次男坊、孫が長男坊は家父長の大家族に外れるなら落選である。

船大工の技術で橋を作る職人の不足と同様に、親子３世代も不足し、渡始式も絶滅危惧種に編入される。