恒例となった高齢夫婦の平湯温泉の旅も3回目である。雪に対する郷愁は強いのである。生まれ育った長野市の雪、学舎のあった長岡市の雪、勤務先の長浜市の雪。人生の喜怒哀楽は雪と共にある。現在は雪と縁のない岡崎市に住んでいる。
温暖化による暖冬で雪が無かった冬に、突然の大雪で東京の都市機能は麻痺している。雪道タイヤが無いから、レンタカーを借用した。スタッドレスタイヤを自家用車に装着する費用の半額である。マイカーには無いETCとカーナビも付いている新型のカローラフィールダー。
愛知県から奥飛騨温泉郷へは高山市経由のルートが一般的であるが、中央道を経由して飯田市の援農体験で世話になる農家を訪ね、三州街道を北上して駒ヶ根市の蕎麦屋・福寿美で山菜蕎麦を頂いた。松本空港を右に見て、野麦街道を走り松本電鉄の上高地への終着駅・新島々を通過して、奈川渡ダムの梓湖の湖岸の多くの隧道を通過し、安房トンネルを抜けると平湯温泉街である。
今宵の宿の民宿・いちだの温泉は冷えた体に最高の贈り物である。雪深い山国の宿は自然の恵みである温泉の熱を有効活用する人間の英知がある。源泉掛け流しの廃湯は駐車場の地中のパイプで融雪し、床暖房をしている。温泉が無ければ人間は寄り付かないだろう。そして平日の極寒の時期は客が少なく、本日は貸切り状態である。
夕食後、宿から5分の「奥飛騨樹林帯タルマかねこおりライトアップ」のイベント会場に長靴を借用して雪道を歩いた。暗闇に浮かぶ幽玄で幻想的な凍りついた滝は感動的である。山国の夜の冷え込みは厳しい。骨身に凍みる寒さである。早々に退散することにする。
冷え切った身体に温泉の温もりが心地よい。寒暖、冬夏、空腹満腹、コントラストが人間に感謝の気持ちを思い出させる。人生にメリハリが必要である。毎日がお祭り騒ぎでは人間が堕落し、経済が持たない。
五箇山を訪ねる夢を実現すべく、民宿の女将にルートを訪ねると、白川街道で松ノ木峠(1086m)を越え荘川を迂回して白川郷を経由する経路と国道41号を走り富山インターで北陸自動車道に流入し、東海北陸自動車道の五箇山インターにいたる道の選択を案内してくれた。
9時に宿に別れを告げ、文明の利器・カーナビに目的地を入力すると、天生(あもう)峠(1290m)を越える近道を案内してくれる。峠から白川郷までの標高差は800mにもなる。科学主義の物優先社会に洗脳されている私は、経済的な約1時間程の近道を選択して、女将さんのもてなしの心を粗末にしたのである。国道41号を走行し、天生峠を目指してしばらくすると、冬季通行止めの非情な看板がある。文明の利器・カーナビにその情報がなかったようである。科学主義は万能でなく、人間が優れている。そして旅人は土地の住人の話に耳を傾ける「郷に入っては郷に従え」の諺を理解する素直な心が大切である。
カーナビに怨み骨髄の私は電源を切り、道路地図を頼りに富山に向かうことにする。最後に頼れるのは自分自身である。数河峠を越え亜鉛・鉛・銀の神岡鉱山の猪谷、風の盆の越中八尾の近くを通過して、雪の降りしきる雪道を2時間程度、悪戦苦闘して富山インターに到着した。運転は女房でナビゲーターは私である。
飛行機見物の脇見運転に注意の看板がある。富山空港を離発着する航空機が頭上を通過するらしい。車の少ない道の雪解け水を撥ね飛ばして高速で走ると半時間で東海北陸自動車道に入る。対面交通の道路には車が皆無である。大量の国費を投入した高規格の道路は本日貸切り状態である。われわれ夫婦の為に道路を建設した日本国に感謝したいというと、強烈な皮肉と取られるだろう。老人に平日の旅を推奨している。
温暖化による暖冬で雪が無かった冬に、突然の大雪で東京の都市機能は麻痺している。雪道タイヤが無いから、レンタカーを借用した。スタッドレスタイヤを自家用車に装着する費用の半額である。マイカーには無いETCとカーナビも付いている新型のカローラフィールダー。
愛知県から奥飛騨温泉郷へは高山市経由のルートが一般的であるが、中央道を経由して飯田市の援農体験で世話になる農家を訪ね、三州街道を北上して駒ヶ根市の蕎麦屋・福寿美で山菜蕎麦を頂いた。松本空港を右に見て、野麦街道を走り松本電鉄の上高地への終着駅・新島々を通過して、奈川渡ダムの梓湖の湖岸の多くの隧道を通過し、安房トンネルを抜けると平湯温泉街である。
今宵の宿の民宿・いちだの温泉は冷えた体に最高の贈り物である。雪深い山国の宿は自然の恵みである温泉の熱を有効活用する人間の英知がある。源泉掛け流しの廃湯は駐車場の地中のパイプで融雪し、床暖房をしている。温泉が無ければ人間は寄り付かないだろう。そして平日の極寒の時期は客が少なく、本日は貸切り状態である。
夕食後、宿から5分の「奥飛騨樹林帯タルマかねこおりライトアップ」のイベント会場に長靴を借用して雪道を歩いた。暗闇に浮かぶ幽玄で幻想的な凍りついた滝は感動的である。山国の夜の冷え込みは厳しい。骨身に凍みる寒さである。早々に退散することにする。
冷え切った身体に温泉の温もりが心地よい。寒暖、冬夏、空腹満腹、コントラストが人間に感謝の気持ちを思い出させる。人生にメリハリが必要である。毎日がお祭り騒ぎでは人間が堕落し、経済が持たない。
五箇山を訪ねる夢を実現すべく、民宿の女将にルートを訪ねると、白川街道で松ノ木峠(1086m)を越え荘川を迂回して白川郷を経由する経路と国道41号を走り富山インターで北陸自動車道に流入し、東海北陸自動車道の五箇山インターにいたる道の選択を案内してくれた。
9時に宿に別れを告げ、文明の利器・カーナビに目的地を入力すると、天生(あもう)峠(1290m)を越える近道を案内してくれる。峠から白川郷までの標高差は800mにもなる。科学主義の物優先社会に洗脳されている私は、経済的な約1時間程の近道を選択して、女将さんのもてなしの心を粗末にしたのである。国道41号を走行し、天生峠を目指してしばらくすると、冬季通行止めの非情な看板がある。文明の利器・カーナビにその情報がなかったようである。科学主義は万能でなく、人間が優れている。そして旅人は土地の住人の話に耳を傾ける「郷に入っては郷に従え」の諺を理解する素直な心が大切である。
カーナビに怨み骨髄の私は電源を切り、道路地図を頼りに富山に向かうことにする。最後に頼れるのは自分自身である。数河峠を越え亜鉛・鉛・銀の神岡鉱山の猪谷、風の盆の越中八尾の近くを通過して、雪の降りしきる雪道を2時間程度、悪戦苦闘して富山インターに到着した。運転は女房でナビゲーターは私である。
飛行機見物の脇見運転に注意の看板がある。富山空港を離発着する航空機が頭上を通過するらしい。車の少ない道の雪解け水を撥ね飛ばして高速で走ると半時間で東海北陸自動車道に入る。対面交通の道路には車が皆無である。大量の国費を投入した高規格の道路は本日貸切り状態である。われわれ夫婦の為に道路を建設した日本国に感謝したいというと、強烈な皮肉と取られるだろう。老人に平日の旅を推奨している。