菅沼合掌集落に別れを告げ、帰宅することにする。時間に余裕があり東海北陸自動車道は白川郷と飛騨清見間が未開通であるから、国道156号を岐阜に向かって走行することにする。庄川の成出ダム・椿原ダム・鳩谷ダム・御母衣ダムの湖岸を走る。御母衣ダムが最上流で巨大な湖を形成している。ロックフィルダムで岩を積み重ねて出来ている。訪ねたことのあるコンクリート塊である重力式の天竜川の佐久間ダムやアーチ型の黒部川の黒部ダムと違い、自然と調和した優しい感じのダムである。
成出ダム付近の庄川は蛇行しているが、川が県境になっている。国道156号は隧道や橋を連ねて直線で通過するから、富山県になったり、岐阜県になったり頻繁に変化する。気が付いたのはカーナビが頻繁に案内をするからである。文明の利器は騒々しいのであるが、意外な事実を教えてくれる。
鳩谷ダムの近くには白川郷があるが左手に見て通過することにする。3年前の冬に合掌造りの民宿・孫右エ門に宿泊し散策した経験があるからである。
御母衣ダムの為に水没する照蓮寺、光輪寺の庭にあった二本の巨桜を見たダム建設事業主である電源開発株式会社の初代総裁高碕達之助は「なんとかこの桜だけでも救えないものか」と、当時の桜研究家の最高峰の笹部新太郎にこの二本の桜の移植を依頼した。移植工事は樹齢450年以上という老齢とその巨体、更に「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の外傷に脆弱な桜で困難を極めたが、移植作戦は奇跡的に成功した。荘川桜として春になると花を咲かせる。NHKのプロジェクトXで詳しく報道された。
昔の会社には人間の心の琴線に触れる浪花節的な無駄遣いを認める社長がいた。映画・釣りバカ日誌のスーさんは現れるだろうか。現在の雇われ社長は計算高く、保身術を心得ているが、人を感激させる施策をする度胸があるだろうか。個人の私腹を肥やすだけの無駄遣いは断じて許せないと思うのである。
荘川を通過すると程なく分水嶺の蛭ヶ野高原である。ここが源流でダムの無いのが自慢の長良川が始まる。そして地図を読むとその終わりは伊勢湾でない様である。寸前に揖斐川と合流している。長良川河口堰はダムでないことを信じている。川には鮎が豊富に生息し、宮内庁の保護下にある岐阜の鵜飼は末永く存続する事を祈っている。山の頂から日本海が近い荘川と違い、太平洋が遠い長良川の流れは穏やかで、水の位置エネルギーが少なく水力発電に不向きである。人間の都合で価値がないと判断されると自然のままに置かれる。屋久島の縄文杉は奇形故に人の有用価値論に適合しないで7200年生き延びている。
平日の一般国道は渋滞がなく順調に法定速度で走行できて、しかも無料である。年老いた年金生活者はせいぜい平日に旅をして、田舎の活性化に協力し、自己啓発をして残り少ない人生を謳歌することが社会貢献なのである。年金生活者は世界遺産の集落を守る菅沼合掌集落の住人と同様な国家公務員的存在なのである。役人天国の日本と言われない為に、現役の無駄な公務員を減らさないといけない。国家財政の改善はそれ以外に考えられない。
蛇足になるが、レンタカーを返却する際に燃料を補給したのであるが45リッターである。703km走行したからリッターあたり15kmの燃費性能である。TOYOTAブランドが売れて世界一になる実力を納得した旅でもあった。
成出ダム付近の庄川は蛇行しているが、川が県境になっている。国道156号は隧道や橋を連ねて直線で通過するから、富山県になったり、岐阜県になったり頻繁に変化する。気が付いたのはカーナビが頻繁に案内をするからである。文明の利器は騒々しいのであるが、意外な事実を教えてくれる。
鳩谷ダムの近くには白川郷があるが左手に見て通過することにする。3年前の冬に合掌造りの民宿・孫右エ門に宿泊し散策した経験があるからである。
御母衣ダムの為に水没する照蓮寺、光輪寺の庭にあった二本の巨桜を見たダム建設事業主である電源開発株式会社の初代総裁高碕達之助は「なんとかこの桜だけでも救えないものか」と、当時の桜研究家の最高峰の笹部新太郎にこの二本の桜の移植を依頼した。移植工事は樹齢450年以上という老齢とその巨体、更に「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の外傷に脆弱な桜で困難を極めたが、移植作戦は奇跡的に成功した。荘川桜として春になると花を咲かせる。NHKのプロジェクトXで詳しく報道された。
昔の会社には人間の心の琴線に触れる浪花節的な無駄遣いを認める社長がいた。映画・釣りバカ日誌のスーさんは現れるだろうか。現在の雇われ社長は計算高く、保身術を心得ているが、人を感激させる施策をする度胸があるだろうか。個人の私腹を肥やすだけの無駄遣いは断じて許せないと思うのである。
荘川を通過すると程なく分水嶺の蛭ヶ野高原である。ここが源流でダムの無いのが自慢の長良川が始まる。そして地図を読むとその終わりは伊勢湾でない様である。寸前に揖斐川と合流している。長良川河口堰はダムでないことを信じている。川には鮎が豊富に生息し、宮内庁の保護下にある岐阜の鵜飼は末永く存続する事を祈っている。山の頂から日本海が近い荘川と違い、太平洋が遠い長良川の流れは穏やかで、水の位置エネルギーが少なく水力発電に不向きである。人間の都合で価値がないと判断されると自然のままに置かれる。屋久島の縄文杉は奇形故に人の有用価値論に適合しないで7200年生き延びている。
平日の一般国道は渋滞がなく順調に法定速度で走行できて、しかも無料である。年老いた年金生活者はせいぜい平日に旅をして、田舎の活性化に協力し、自己啓発をして残り少ない人生を謳歌することが社会貢献なのである。年金生活者は世界遺産の集落を守る菅沼合掌集落の住人と同様な国家公務員的存在なのである。役人天国の日本と言われない為に、現役の無駄な公務員を減らさないといけない。国家財政の改善はそれ以外に考えられない。
蛇足になるが、レンタカーを返却する際に燃料を補給したのであるが45リッターである。703km走行したからリッターあたり15kmの燃費性能である。TOYOTAブランドが売れて世界一になる実力を納得した旅でもあった。