バンダナ男に大臣賞

禅寺夜座の仲間の芸術家、バンダナを頭部に巻きつけラフな服装。心に余裕の無い現代人から落ちこぼれた自由人。

高級鉢の絵付が職業と聞く。手を抜かず、心を込めて、納得のゆく仕事は職人芸。

商品の心を理解する人間が少なくなった現代日本。使い捨ての百均の鉢が全盛。高級鉢は売れず、薄給になるのが市場原理。

人里離れた山里に独り住む仙人、夜は趣味の絵画に没頭「写真を越える写実」がテーマ。

５００号を越える大作の寅と百合の花を見せて頂いた。素晴らしい感動した。

１０号程度の絵なら１０万円で売れるが、其処に落ちると創作意欲が減退、金の亡者になるから描かないと述べ、清貧な質素倹約の生活をする。勿体ないと悔しがるのは凡夫発想。

ビッグニュースが飛び込んだ。文部大臣賞に輝いた。

凡夫の集団は「賞金は幾らですか」「副賞はなんですか」と質問攻め。

「ブロンズのトロフィー」と誇らしげに答える眼は輝いている。

年老いて眼が見えず、手が震えて絵筆が手に取れない恐怖に対する怯えが、座禅に通わせる。