春 眠 不 覚 暁 処 処 聞 啼 鳥 夜 来 風 雨 声 花 落 知 多 少
北風吹く冬の日々だったが、雛祭りが過ぎると雨が降り、庭の侘助の花が散乱し、名を知らぬ飛び来たる鳥が鳴き去る、春が来た。
熊は寒い冬は眠るが、老人は春になると起床時間が遅くなる様だ。永眠の危機が去り安眠できるのである。
太陽神アポロンと北風の神ボレアスの話、イソップ寓話、老人の心を開かせるのはやはり温かい光なのだろう。
老人は仏教の無量光や神道の天照大神を志向し、仏ほっとけ、神かまうなの経済一辺倒の寒風吹く世間には心を閉ざす。