風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

トンビとグライダー 541号

2009年05月12日 06時00分43秒 | 随想
矢作川の土手に寝転び、ぼんやりしていると、五月晴れの大空をグライダーが旋回している。

河川敷に岡崎滑空場があり、岡崎飛行クラブのメンバーがエンジン駆動ウインチを使用して時速100kmで滑空機を300mの上空まで誘導する。後は上昇気流を探し、旋回しながら高度を上げる。

トンビが同じ空に浮かんでいる。何が目的なのだろうか?空から獲物を探すのが本来目的だろうが、あんな高空からでは、目が良くても、蛙や鼠が見えないだろう。

太陽の光で暖められる大地、地表で温められた空気は軽くなり上昇する。そのことに最初に気が付いたのがトンビである。真似をして人間がグライダーを造ったが、トンビに似せたまがい物である。

トンビが高空を旋回する心が理解できたら、人間はもっと、太陽・地球・空気・水に感謝して大切に扱うだろう。言葉が無いトンビは、報恩の心を不言実行の行動で示すことを人間に教える。

油揚げは人間の発明品であるが、トンビが好んで食べる。渾然一体となった関係が世間を成り立たせ、関わりあっている。一人では飛び立てないグライダー。関係を持ち合わないと存在できない物体は、空(くう)である。

グライダーでトンビの心を体験したいが、残念ながら高所恐怖症の心の病気が癒えていない。瞑想の後、見上げる空(そら)にはトンビもグライダーも無く、有るのは太陽の光だけだった。

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