梅雨が明けたか ５９２号

普段の倍、雨が降るとか、カビが増殖するから、梅の実が熟す頃、「ばいう」の語源は喧しいが、「梅雨」である。

中国大陸は揚子江気団と熱帯モンスーン気団が、日本近辺ではオホーツク海気団と小笠原気団がそれぞれせめぎあう。冬と夏の権力闘争の最中で、夏が勝つシナリオで、７月２０日頃に勝負がつき、学校は夏休み、夏の青春１８きっぷの効力が発生する。
　
「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」
「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
「桃栗三年、柿八年、柚の馬鹿野郎十八年、梅はすいすい十六年」

日本三名園は岡山後楽園・金沢兼六園、そして梅の花で有名なのは水戸偕楽園である。

春の青春１８きっぷで日帰りの旅の印象が強烈に残っている。ムーライトながらで夜中に岡崎を発ち、ローカル電車を乗り継いで、８時頃には偕楽園を散策している。水戸納豆の昼食を頂き、普通電車に都合１６時間乗車して帰宅した。交通費は二人分４６００円だった。八年前の、まだ若い夫婦だった。

水戸は黄門様のお膝元である。朝廷組織の中納言の中国の呼び名である。現代の内閣なら副大臣に相当するのだろうか。

水戸黄門は七人存在した。七人の侍の筆頭は水戸光圀である。初代征夷大将軍の徳川家康の九男の尾張家、十男の紀州家、十一男の水戸家のみ参勤交代せずに江戸に居住する義務が有ったから、副将軍と呼称された。権力には闘争が付属し流転する。

大東亜戦争に敗戦した頃、吉田茂と鳩山一郎が抗争した歴史がある。そして経済戦争の終焉の時期に、麻生太郎と鳩山由紀夫が権力闘争している。岸信介と佐藤栄作とは兄弟だった。鳩山由紀夫がもし総理大臣を務めたら、次は鳩山邦夫なのだろうか？気が滅入る梅雨が明けるのだから、政局も夏晴れに成ることを期待している。