風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

油断に油断するな 201号

2007年11月23日 09時43分53秒 | 随想
世界規模で物・金万能主義が蔓延しているために、石油需要が高まり、原油価格が高騰している。イデオロギーや宗教的な理由で、質素な生活をしている国は、将軍様の軍国主義の北朝鮮か国民総幸福量をいうブータンなど極少数の国になった。
人口大国のインドや中国が経済発展した結果、エネルギー消費が増加し、原油相場を高値誘導している。

ドライバー自身が給油するセルフサービス式のガソリンスタンドが、安価な自動車燃料を求める庶民に人気がある。
経済観念が抜群であるが、車のメカニズムに弱い人々は、「軽自動車だから軽油を入れた」・「一番安い燃料を選んだら軽油だった」という人が少なくないという。軽油はディーゼルエンジン用の燃料であり、ガソリンエンジンは動かない。草食動物の牛に、肉骨粉を与え狂牛病になるのに似ている。原理原則は守らないといけない。

『トウモロコシはエタノール、大豆はバイオディーゼル燃料に、穀物は機械が食べる時代になったと飼料会社の社長は言う。原価高騰に伴う販売価格の上昇で売り上げが増えて、過去最高収益となった。』新聞記事の抜粋である。

疑問に思うところは、過去最高収益になることである。正直な商売をするならば、収益は同じ筈である。原価高騰分を上乗せするだけだからである。便乗値上げが頭をよぎるのであるが、物の価格は相場であるから、需給関係が売り手有利に働き、増益になったのだろう。新聞記事は説明不足になりがちで、誤解を呼ぶ可能性が大きい。

飼料は、牛・豚・鶏の餌なのであるから、その食品価格が値上げになることが想像される。その防衛策を考える好期で、日本人古来の食生活を復活するチャンスである。

多くの日本人は弥生人の系統であり、胴長短足だから腸が長く、米飯と野菜が合っている草食動物の傾向が強いのである。そして海産動物が蛋白源の食文化を育んで来た。
米飯・味噌汁・めざしが定番である。旬の野菜・魚を好んで食し、年に数度の祭りに寿司や刺身をまとめ食いをする。広い日本に分散定住し、活動は、自転車や自分の足で歩ける範囲に留め、その制約の中で楽しみを発見するのが、古き良き日本人の生活様式であった。濃密な人間関係・喜怒哀楽の情緒の心・己を忘れた他を利する奉仕の精神が懐かしい。

外食産業のビッグマックやメガマックなどメガフード(百万カロリー食品)は暴飲暴食を利益のために企業が推進する企画で、日本人の質素倹約の武士道に反するのである。

『肉食は高級料理』や『自動車はステータス』のとらわれ・かたより・こだわりの幻想観念を離脱すると、原油枯渇は恐くない。油が断たれても、油断しないで準備すれば恐くない。すぐに到来する油断に油断するなと言いたいのである。


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