風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

梨の摘果で大きく育つ 

2007年05月12日 08時03分25秒 | ワーキングホリデー飯田
5月8日から4日間、飯田市ワーキングホリディに参加した。通算で8回目である。昨年の初体験以来、丁度一年経過した。五月晴れの快晴の下、梨の摘果の作業である。一箇所に数個ある実を一つにする簡単な終日の根気仕事で素人でも出来る。将来より大きな実に成った段階で、農家が最終摘果をして、8月には収穫である。最終摘果は将来の成長具合を総合的に予測して間引くことで、経験の必要な専門技術である。

美味で、形がよく、商品価値のある赤梨にする為には、別の梨のおしべから花粉を採集して人工的に受粉させたのである。高度に改良された品種なので、自然受粉では結実しない。剪定・枝の棚固定・受粉・摘果・収穫の手作業や消毒・草刈・肥料散布などの機械作業の手間がかかる。全国的に栽培されていて競争が激しく、手間が掛かるけれども、収入は多くないようである。主人は特産品の市田柿に移行する戦略であるが、「桃栗3年、柿8年」といわれるように、時間の経過の必要な仕事である。

多様化の世の流れで、多品種少量生産の方策として、接木(つぎき)という技術がある。枝を割り、別種の梨の枝を差込、固定すると成長して結実する。20世紀梨の幹に、豊水梨・南水梨・秋月梨の3種が接木してある。細胞融合とか遺伝子組み換えなど高度の技術は人間の傲慢であるが、接木技術は自然を応用した人類の叡智である。

3日目の午後には、午前の快晴が突然、低気圧の通過で雷雨の悪天候に変わり、作業は中止になった。部屋から雨の景色を眺めていたら、10秒ほどであったが、雹(ひょう)が降った。5分も降ると農産物は壊滅的な打撃を受けるようである。主人の話では1917年6月に、埼玉県の熊谷市郊外で直径23.6cm、重さ3.4kgの雹が降り、負傷者や家屋倒壊などの被害が出たとのことである。小諸では20分の降雹の報道があり、主人は農産物の被害を心配している。
今の時期、霜による被害もあるが、10m上空に設置した扇風機で空気を攪拌する事で防止できる。雹(ひょう)に対する対策は無く、ただ降らないことを祈るのみである。「人事を尽くして天命を待つ」の名言のように、人間として出来るかぎりのことをして、 その上は何か偉大なものにお任せする以外ないのである。
主人は、過去の経験が役に立たなくて、天候を予測できず悩んでいるようであるが、温暖化など異常気象が地球を変化させている。地球を怒らせないように、人間は配慮しないといけない。

63歳となり、体力的にも精神的にも、老化していると思い込んでいたが、顔を日焼けで黒くして、4日間の農作業を遣り遂げ、主人夫妻や80歳のお婆さんに「まだまだ若いですよ」とおだてられ気分がよいので、6月下旬の柿の摘果を手伝いたいと思っている。高齢と成ったら素直に成らないといけない。


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