風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

粘華微笑の落合監督 376号

2008年10月06日 12時35分40秒 | 落合監督
中村紀洋が同点の9回、巨人守護神のクルーンからバックスクリーン右へ決勝の24号3ランを打ち込み 中日がクライマックスシリーズ進出を決めた。

「おまえの持ち味を出せ。自分の打ち方をすればいい。高めを狙え」

入団以来始めて打席に入る前に、落合監督から耳打ちされた言葉である。雑念が消え、力が抜けて、バットが走ったという。

風来坊の評論家時代の俺の落合博満とおまえの中村紀洋はある意味で師弟関係にあった。そして契約金問題が泥沼に入り風来坊となったおまえを不承不承年俸440万円で採用した。野球界の頂点のスタープレーヤーから奈落の底に陥落した。

「期待してないから」の俺の言葉で発奮、克己勉励、昨年の日本シリーズのおまえは最優秀選手に輝いた。

禅僧は師匠から言葉を頂き、真剣に考え自分流の答えを創作する。公案である。
「片手の声を聞け」とか「犬は仏になれるか」や「おまえは何者だ」等である。自己流で考え続け、師匠に否定され続ける。歳月が経過すると、師匠と自分の立ち居振る舞いが同じになっている。その時、公案を忘れているが、師匠は合格という。

俺が打者ならこの場面でホームランを打つと思う。もしおまえが俺と同じレベルに到達しているならおまえはホームランを打つだろう。俺流の論理である。師弟の信頼の言葉が「おまえの持ち味を出せ」だった。

そしておまえはホームランを打ってドラゴンズは勝利した。俺は満足している。

次回のチャンス到来の時は、俺が見詰め、言葉が無くてもおまえは微笑み、ヒットし、チームの勝利に貢献する。仏教には「粘華微笑」の話がある。

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