風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

万札の不満

2021年09月02日 10時22分18秒 | 随想

一万円札の肖像が文化人の福沢諭吉から実業家の渋沢栄一に変わり、裏面は鳳凰から2012年(平成24年)に復原されたJR東京駅丸の内駅舎に変更予定である。なお、新たな肖像の人物としてピックアップされた渋沢栄一は、改刷発表当時に在任中であった麻生太郎財務大臣と安倍晋三内閣総理大臣の遠縁の親戚にあたる人物でもある。また、日本銀行券のうち、民間企業が管理運営する営利施設が紙幣のデザインとなるのはこれが初めてである。

戦後の最高額紙幣は聖徳太子が定番だったが、西洋思想の権化の福沢諭吉と成り、ここに実業家の渋沢栄一が登場し、古き良き日本の心が荒み、モノで栄える経済野獣の動物園は繁栄を極めるのだろうか。

雉や鳳凰が消え、東京駅が主役となるのは鉄道愛好家にとっては嬉しいが、モノよりも自然に目を向けるべきだろう。

地球から搾取した化石燃料を燃やし炭酸ガスで温暖化を推進する人間の叡智の飛行機よりも、呼気のわずかな炭酸ガスの排出で自らの力で飛行する鳥達に畏敬と尊敬の念が芽生えるのである。

コロナ禍で自由な経済活動が制限される統制経済、プラスチックマネーのデジタル化が進行する現実に鑑み、デザイン変更は不要不急だろう。

吉田茂。岸信介、佐藤栄作の時代の万札の肖像は聖徳太子と夢殿、日本人像は明確だった。


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