風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

マリオネット 68号

2007年04月30日 07時58分49秒 | 随想
桜の咲く頃、援農で度々訪れる、麻績の里・麻績神社舞台桜見物の夫婦旅をした。推古天皇の頃、信濃の国麻績の里(現在の飯田市座光寺)の住人、本多善光公が難波の堀江にてめぐり会った仏様を連れて帰り、最初にお祀りした元善光寺の付近に舞台桜がある。その仏様の一光三尊阿弥陀仏は、現在は信州信濃の善光寺の絶対秘仏である。

満開の舞台桜は感動的であったが、その側に竹田扇之助記念国際糸操り人形館がある。館長の竹田扇之助直々の呼び込みに誘われて見学した。マリオネットで、人形劇でよく使われる操り人形の一つであり、日本では糸繰り人形とも言う。

マリオネットを扱った有名な話として『ピノキオ』がある。『ひょっこりひょうたん島』も、マリオネット、あるいは操り人形で撮影された人形劇である。公演で評判の良かった『雪ん子』の舞台が展示してある。

人形作家・竹田喜之助の人形を、竹田扇之助が竹田人形座の座長を努めで糸繰り、人形劇を芸術にしたのである。竹田扇之助館長の故郷は飯田市の隣り、喬木村である。

人形を使った芸術は、古典芸能の人形浄瑠璃文楽や、いっこく堂で有名な腹話術がある。子供の頃、お巡りさんが腹話術で交通安全の教育をしてくれた。

物である人形は、竹田扇之助が入魂することで、形に合った振る舞いをする。少女は少女のように、鶴は鶴のように、龍は龍の様に。それぞれの物には決まった美しい動作がある。

人にも美しい動作があるが、無駄のない動きである。心の発露である動作は美しい心が作り出す。美しい心造りが人生で、人相に現れる。

心と行動がちぐはぐな人が稀にいる。二重人格とか多重人格とか世間で言う。人は絶えず他人から行動を認められたいと思うのが通常である。そして行動が決まってくる。他人から孤立すると、自分で自分を認めなければならない。強い自分があれば、問題が起きないが、弱い自分を認める、弱い自分が出来ると、二つの自分が出来てしまう。弱い自分を認める、弱い自分を認める、弱い自分が出来ると、三重人格である。だから親子・友人・師弟関係の切磋琢磨が大切なのである。人は一人では生きていけない。

老人になると、周囲から敬遠されるようである。特に男が孤立する傾向が強い。弱い老人は、夜な夜な自分を認めてくれる自分探しの為に彷徨する事になる。老人呆けである。女房・子供は、年老いた男親を大切にすることが、美しい自分を造ることになり、美しい国・日本の完成である。

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