風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

熱田神宮の禿頭三人男 439号

2009年01月11日 06時18分09秒 | 随想
清水港の旅姿三人男は次郎長の子分の大政・小政・森の石松の演歌である。三人三様の人生を送っただろう仲間である。

腕と度胸じゃ 負けないが 人情からめば ついほろり 見えぬ片眼に 出る涙 森の石松 森の石松 よい男

おいらには両親がいる。父親と母親。父親には兄弟がいる、そして母親にも兄弟姉妹がいる。各々方には子の兄弟姉妹がいる。子達はそれぞれ孫の兄弟姉妹がいる。人のDNAの連鎖はとめどなく広がる。そして何処か似ている不思議がある。

異質のDNAの夫婦は長い付き合いで、顔付きや立ち居振る舞いが似てくる不思議がある。

同じ親父のDNA、同じお袋の一個の万能卵細胞から細胞分裂した兄弟姉妹はクローン人間でなく千差万別で、それぞれが違った個性がある。

おいらの男兄弟は四人であるが、兄貴二人と弟は頭髪が多く、唯一おいらだけが禿げている。

熱田神宮会館の息子の結婚式で母親の弟である叔父と母方の甥に久しぶりに会った。そして写真に納まった。見事に禿げている。どうやら禿は母方の遺伝子なのだろう。

おいらの誕生した昭和19年は大東亜戦争の敗戦濃厚な混乱した世相だった。家族を養う使命のある大黒柱の父親の遺伝子が極度に衰弱していたのだろう。母方の遺伝子が発現して禿が遺伝した。

氏より育ちと世間で言う。遺伝子・DNAの可能性は無限であるから、環境によってその発現が違い、容姿や心の有様が兄弟姉妹でも違ってくるのである。

男勝りの土佐のハチキンの様な女房を持つ強度の恐妻家のおいらの家族は息子ばかり三人である。仏様は見て御座って味方を授けてくれた。

しかし桜咲き、青葉が茂り、落ち葉が積もり、雪が降り、時が流れ、母親の教育で成人した息子達は全ておいらの敵に洗脳されている。女性に勝てない素質は親のDNAである。

おいらが負け犬になる遺伝子が発現する環境に置いた運命を甘受する以外に知恵が浮かばない。己を忘れ、他を利するのが仏心と最澄さんが述べている。信じる者は何時か救われると信じている。


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