風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

医は仁術なり 523号

2009年04月26日 06時33分32秒 | 随想
昨年の暮れに会社の健康診断を受けた。良好な結果を七年間継続してきたが、肺に陰が見受けられるので、要再検査の記述がある。

3月に65歳の定年退職を迎えるから、老骨に鞭打ち、懸命に精進努力の毎日だった。立つ鳥跡を濁さず、終わり良ければすべて良し。医者に行くのを忘れていた。

残務整理をし、変則勤務の過酷な労働の諸々のストレスから解放され、日の出で起床、日没に就寝、晴耕雨読の平穏な毎日の極楽生活。ある日突然、動くと動悸が早くなり、安静が必要だった。専門用語で頻脈発作。「救心」を服薬し回復した。

狭心症や心筋梗塞の到来を予感し、古い健康診断書を携えて、開業医の玄関を入る。心臓の動悸の激しさで、死の恐怖を味わった事を訴えるが、医者の関心は別に有った。

肺の陰である。医師会の検診センターで、肺CTを撮影して下さいとの診断だった。肺癌や結核の疑いがあるとの友人の風評被害に遭遇し、新たな死の恐怖が発生した。食欲が無い、只管自宅の雑草を抜いて、只管酒を呑んで寝る毎日が続く。

一週間後に結果を聞く為に、恐る恐る医師を訪ねる。

「過去に肺炎か結核を患いましたか、その痕跡が陰になって現れている。現状は問題の無い健康体です」そして付け加える「栄養状態が良くないので、沢山食べてください」

静観すると、自然治癒する。病気は人間の心が作っている。病は気からとも言う。

女房に報告すると「あの医者は、誤診をするという噂があるよ」

ストレスが無いのは地獄である。しかし信じる者は救われるのである。医は、人命を救う博愛の道である。

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