ビバ、農産物 ５２２号

昨日は名古屋伏見でカラオケ例会があった。正午からの開催で、間が有ったので、南信州ファームプロダクトマーケットに行った。

地下鉄東山線の覚王山駅から徒歩〇分のロケーションで、援農先の飯田市の農政課が地域の農産物を紹介するショウルームである。千差万別の野菜や果物が交響曲を奏でる、自然の宝石店の華麗さがある。

近くに仏教寺院の覚王山日泰寺がある。インド北部で１８９８年にイギリス人が発見したお釈迦様の正真正銘の遺骨。インド政府は仏教国泰に贈り、１９００年にチュラロンコン・泰国王は一部を日本・ビルマ(ミャンマー)・セイロン(スリランカ)に分骨贈呈された。覚りの王様の眠る、日本と泰国のお寺が命名の由来である。山門では迦葉と阿難尊者が本尊のお釈迦様をお守りしている。

お釈迦様の教えを忠実に守り、自分を磨く南伝上座部仏教の泰国は禁欲的、他人も救済しようとする北伝大乗仏教の日本は快楽物欲志向。どちらにも片寄らない中道が釈迦仏教。

日本仏教は救済の方法論の違いで多くの宗派に分派した。お釈迦様はあらゆる仏教教団の親であるから、宗派を超越している。１９０４年に無宗派の覚王山日泰寺は創建に貢献した１９宗派が３年輪番でお勤めしている。

何故名古屋の地なのかの人間的な詮索が存在する。名古屋と京都の招致合戦があった。多くの仏教宗派から１９だけの選択が答えだろう。

釈迦仏教の追体験をする禅、臨済宗と曹洞宗と黄檗宗。覚王山日泰寺僧堂担当は輪番でなく曹洞宗に固定されている。

名古屋の地はお釈迦様の希望だったのだろう。

派閥抗争で国際会議をボイコットした無抵抗主義の仏教国・泰。物欲の覇者、自動車王国の名古屋は金融破綻で打撃を受け、世界は混迷している。その片隅にある小さな南信州農産物市場が輝いて見えるのは、仏教寺院の参禅会で食の大切さを学んだからである。食卓が日本の農業を変えるのだろうし、国の元は農なりである。農業は大切なのである。