風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

おい悪魔、目覚めよ 332号

2008年08月06日 18時18分30秒 | 随想
「おい悪魔」は住友銀行元頭取、堀田庄三氏の人生訓である。此の言葉で業績を残し、後輩を育てた。

悪魔とは、煩悩や悪・邪心などを象徴する超自然的な存在のことである。西洋のデビル・デーモンの訳語となった。仏ほっとけ、神かまうなの神仏や天使が反対語だろう。

キリスト教の悪の起源は禁断の善悪の知識の木のリンゴを食べた、アダムとイヴの創造主である神に対する不服従の結果である。

原始共産社会の素朴で悪とは無関係な生活をしていた人類は、文明の発展に伴って、経済機構の複雑化などの影響を受けた貨幣経済が悪を生み出したのである。

ある学者は、チャールズ・ダーウィンによる生物進化論の立場から、未進化のままで人のうちに残っている動物的な性質に悪が存在するという。

アーリア人の二元論では、善は温かい心の世界、悪は冷たい物質の世界とする。

西洋物質文明の頂点にある日本には、悪が蔓延している。権力者の独断と偏見の善悪の二元論の格差社会。カネが全ての唯物論。親が子を、子が親を殺す畜生以下の所業。人の不幸は蜜の味の連続殺人事件のテレビドラマで時間を空費する。それは悪魔のささやきである。

善の復活を宗教に学び、温かい心を呼び戻す時である。
悪事を己に向え好事を他に与え 己を忘れて他を利するは慈悲の極なり。遣り難い仕事は引き受け、奇麗な仕事を他人に任せ、自己主張を控え、如何でもよいことは他人の意向を尊重するのが、善人の行動なのだろう。

病人・老人・死人は将来の自分であると思い、先生として積極的に付き合い、天使のささやきを聞くべきことを、高田好胤薬師寺住職が述べていた。

お(おこるな)い(いばるな)あ(あせるな)く(くさるな)ま(まけるな)

堀田頭取の善人になる呪文の「おい悪魔」で心の有様を端的に述べている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。