風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

孤独の老婆の大往生

2010年06月26日 05時04分33秒 | 永泉禅寺
開発が進む市街地の小さな古民家に孤独な老人が一人暮らし。

来客も無く、秘密の多い生活態度で、外部から窺い知る事は不可能だった。

朝の散歩が日課で、唯一の世間との接点、雑談することも無く、笑顔で目礼する。

散歩姿が無いので、ご機嫌伺いすると、90歳を超える老婆が寝床で大往生。安らかな死顔だった。

2DKに卓袱台と箪笥、冷蔵庫、洗濯機、僅かな炊事道具とラジオ、そして小さな仏壇が財産で、裏庭にトマトが実っている。

箪笥の中に数千万円の現金を発見する。

戦争未亡人で、戦後60数年遺族年金で暮らしてきた。

近所の若夫婦は「高額年金は不公平、政治の貧困」と語り合う。

老齢年金のオイラは、目に涙、老婆の生活態度に多くを学ぶのである。

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