風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

ワトソン博士と下村博士は同年齢 389号

2008年10月30日 08時59分03秒 | 随想
国の自然科学研究機構の招きで、弱冠46歳で1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞した80歳のジェームズ・ワトソン博士が岡崎市に御出で下さった。

グアニン(G) と シトシン(C)、アデニン(A) と チミン(T)の四つの塩基とデオキシリボース(糖)とリン酸基の分子模型を用い、DNA構造の研究をして、二重螺旋構造を発見した。三つの塩基の組み合わせがアミノ酸を決め、その連鎖が生命の根幹である多種多様のたんぱく質を決定する。DNAは生命の設計図である。

後期高齢者の80歳の下村脩は2008年にノーベル化学賞を受賞した。オワンクラゲの蛍光タンパク質「GFP」は、生きた体の中で特定のタンパク質だけを光らせる標識として実用化され、生命科学に画期的な進展をもたらした。

両博士は1928年生まれの80歳である。

狩猟民族のアメリカ人は若い時に大きな獲物を仕留めた。農耕民族の日本人はこつこつ研究活動をし、人生の黄昏にご褒美を頂戴したのである。

天才のDNAの伝承である息子達は、違った人生を送っているという。
下村博士の息子の下村務は、コンピュータセキュリティの専門家として成功している。ジェームズ・ワトソン博士の息子は統合失調症の患者で病院暮らしである。

60兆個の細胞で成り立っている人間には60兆個の核ゲノムが存在する。核ゲノムの可能性は無尽蔵であるから、眼・鼻・耳・舌・身・意に特化した細胞が人間を形成する。

だから人間はあらゆる人間になる可能性が有るのである。統合失調症の可能性を秘めているが、幸いに発現していないだけである。ワトソン博士はそのヒトゲノムの塩基配列を特定し、その塩基配列の活動を抑える薬の開発を研究している。

しかし何故、特定の人間に統合失調症が発症するのかの答えではない。ワトソン博士の息子が統合失調症で、私の息子達は元気に社会活動をしている。何故なのだろうか。巨額の資産のあるワトソン博士は息子の将来が不安であるが、貧乏人の私は安心である。

科学で究明できない人間の領域があるように思う。何か偉大な力に踊らされているのが人間で、如何にも成らないし、如何にか成るのだろう。サムシング・グレートにすがる以外に方法が発見できない。

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