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今回は「個体発生は系統発生をくり返す」ということについて説いていきたい。長くなるので(400字詰め原稿用紙4枚ほど)2回に分けてアップしていく。
「個体発生は系統発生をくり返す」。この論理ほどに、自身の人生にとって大切な、別の言い方をするならば、役に立ったものはないと思えている。
もっと早くに、このことに気づけていれば自身の人生ももっと実りのあるものになっただろうになあ^^;というのが自身の現在の偽らざる思いである。
それだけに、自身でそれなりの生き方を見つけて十分に生きていっている皆さんは置いておくとして(それらの方々は既に自身のものを持っておられるだろうから、それゆえ大きなお世話だろうから......)
これから人生を切り拓いていく、いかねばならない若い皆さんに、特に鍼灸学生や鍼灸を学び始めている皆さんに、この論理を知って、人生の鍼灸等の学びの指針として役立てていただければ、との思いからの記事である。
「個体発生は系統発生をくり返す」というのは、ドイツの生物学者、哲学者であり、名前ぐらいは鍼灸学生の皆さんであっても(失礼!)知っている方は多いだろうと思う、ヘッケルの言葉(彼の発見した論理)である。
Wikipedia では以下のごとくに紹介されている。
「エルンスト ハインリッヒ フィリップ アウグスト ヘッケル Erunst Heinrich Phillipp August Haeckel 1834年ー1919年8月9日)は、ドイツの生物学者、哲学者である。ドイツでチャールズ・ダーウィンの進化論を広めるのに貢献した。
ヘッケルは医者であり、後に比較解剖学の教授となった。彼はまた現在ではごく身近な「門」や「生態学」などの用語を提唱した......ヘッケルは「個体発生は系統発生を反復する」という反復説を唱えた......」(興味のある方は Wikipedia を参照いただければと思う。)
さて、その「個体発生は系統発生をくり返す」である。(実を言うと、自身はこの論理をヘッケルに直接に学んだのではなく、南郷継正先生の月間空手道誌の連載『武道講義』で初めて知り、そこから先生の諸々の著作で学んでいったものである。)
これはもともとは、卵子の受精後の母胎内での誕生までの発育が、生物の歴史的発展、進化、つまり、単細胞から人類までの(一般的な)繰り返し、であるという発見を言語化したものである。
そしてそれは、個としての生命の誕生にかかわるのみならず、あらゆる(人間に関わる)物事がそうである。
それだけに、我々が何事かを習得、修得するにあたっても一般的には、系統発生をまともに、かつしっかりと繰り返すこと無しには、その学びは、まともには成っていかない!ということである。
(続く)
子供なら大人への階段を、一段ずつ踏み外す事無く、確り踏みしめて登る事。
人から人間への階段を、一つ一つ踏み外す事無く、登り続ける事。
その一つ一つの階段を踏みしめ、その時々の周囲の景色を目に・心に焼き付けて、て登り続ける事。