MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

天人合一思想と<生命の歴史>~厚みのある像の必要性~

2015-08-14 12:57:26 | 鍼灸理論・東洋医学
「看護のための『生命の歴史』の物語」(本田克也、加藤幸信、浅野昌充、神庭純子 著 現代社)を再読している。厚みのある像を持つことの大事性痛感する。

お盆休みを利用して、生理学を0から学び直そうと思い、その前提として「看護のための『生命の歴史』の物語」を読み返すと、<生命の歴史>の学びは東洋医学の学びに必須のものと思える。

東洋医学の特徴として、陰陽五行説に基づく人間観、生理観、病理観があると言われる。そしてその大元にあるものが天人合一思想であるとも言われる。

天人合一であるから、自然の法則性である陰陽五行を人間の法則性として良いのだ。人間を陰陽五行で見て行って良いという根拠は天人合一にあるのだとされている。

それほどに大切な、天人合一思想とはどんなものなのかと、例えば教科書を見ると、「天人合一思想とは、人体の形と機能とが、天地自然と相応しているとみる思想」であるとされ「人と天地は相い応ずるなり」「天に日月有り、人に両目有り。地に九州有り、人に九竅有り。天に風雨有り、人に喜怒有り。天に雷電有り、人に音声有り。天に四時有り、人に四肢有り。天に五音有り、人に五蔵有り。天に六律有り、人に六府有り。」と「霊枢」の引用がある。

しかしながら、この説明では「天地自然と人間とは何か似ている。数も合っている。」ということでしか無く、現代の若者である学生に、これで天人合一を納得しろというほうが無理であり、迷信の類となってしまって当然と思える。そしてそれは自身の単なる危惧では無く、大多数の同級生の思いであるとも思える。

では、お前はどうなのだ!?と問われれば、自身では、天人合一思想の学びの当初から、それを当然のことと受け止めていたし、古代中国では直感的ながらも、世界=天地自然と人間との関係を正しく捉えていたのだと思いがあった。

それ以上に天人合一思想が東洋医学の大元にあることは、自身にとっては逆に東洋医学に対しての信頼を生むものであった。

何故にそう思えたのかと言えば、端的には<生命の歴史>を自身の実力としようと取り組み続けた十年以上の過去があったからであり、その過程で形成された像の厚みが、そのままに天人合一思想の像の厚みへとなって行ったからであると思う。

興味のある方は、東洋医学に関わる方は是非にであるが、「看護のための『生命の歴史』の物語」お読みいただきたい。

そこには、物質である自然が運動発展する中で太陽が生まれ地球や月が生まれ、結果として、生命体が自然から相対的独立のものとして分かれて36億年もの年月をかけて、地球との相互浸透の過程を持ち続けることで人間にまで進化した歴史が説(解)かれてある。

端的には、自然と人間とに関係があるのは、そもそもが一つのものが分かれて行ったからであり、かつ分かれたと言っても、それは相対的独立でしか無く、人間は常に自然と相互浸透し続けなければ生きられない存在であるから、例えば呼吸という形で自然を取り入れ排出し続けなければ、数分で脳の機能は停止してしまう。だから、天人合一なのだと分かることができる。

そういう天人合一に関わっての像の厚みを持てているから、東洋医学を学ぶ熱意を持ち続けられるのだと思える。それが厚みのある像を持つ意義の一つだと思う。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ギリシア・ローマ名言集(柳沼... | トップ | 「看護の生理学」に学ぶこと... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。