MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

睡眠とは何か?(1/2)〜その一般的見解を概観する〜

2024-11-24 15:13:25 | 食・運動と睡眠は如何にあるべきか
 「......生命体は地球上で、その当時の地球そのものの状態であった、化学的変化そのままを自らの状態として誕生し、通常ならば、それが消えていく運命でしかない化学的変化が恒久化できたことによって、生存という状態をいわば創出できたモノで......それだけに、生命体には二重の宿命がある......一つは、その生命体の現在の状態に適応できること、もう一つは、生命体の当初の誕生状態を何らかの形式で保持し続けること......これを称して私たちは「個体発生は系統発生をくり返す」といっている......」(『看護のための「いのちの歴史」の物語』現代社白鳳選書20......長文なので適宜略している。二天)

 少し前のブログ記事で、「不眠とは何か?」を知るためには、そもそもの「睡眠とは何か ?」 がわからなければならない。それが物の順序というものである、と述べた。

 しかしながら、睡眠とは何か ? ということは、事実レベルで思うことは簡単であるけれども、いざ「睡眠とは何か ?」「人間は(動物は)何のために眠るのか ?」 と考えてみると、その自身の論理的な映像は少しも明白ではなかった。

 傍論とはなるが、「自明のこと!」と思えることを、「それは本当は何なのか ?」 「どういうことなのか ?」 と問うことは、大変困難なことである。これは、どの世界でも、例えば鍼灸の世界でもそうである。(以前にブログ記事として書いたが、鍼灸学校時代に経絡の授業で、「経絡と蔵腑とが関係があると、どうして言えるのか ?」 と教員に質問したら、「それを疑ったら鍼灸は成り立たない!」と、怒りを込めての......であった。)それだけに、何事かの原点・大元を、しっかり説くのは大変なこととの思いが自身にはある。

 さて、肝心の「睡眠とは何か ?」、試しに辞書を見ると

  睡眠【睡眠】[名・自サ]①ねむること。ねむり。②休眠(『学研 現代新国語辞典 改訂第4版』学研)

 すいみん【睡眠】①ねむること。ねむり。内的原因によって周期的に起こり、外界との接触の減退、意識の喪失を伴う状態。(『広辞苑 第2版』岩波書店)

とある。これは事実の説明ではあっても、睡眠とかは何かを明らかにしてくれるものではない。

 それでは、と自身の敬愛するアリストテレスに尋ねてみると、さすがアリストテレスと言うべきか、「睡眠と覚醒について」として、14ページにもわたっての考察・思弁を展開している。(『アリストテレス全集6』岩波書店)

 「さて、我々は睡眠と覚醒について次のことを考察せねばならぬ。一体それが何であろうか、また、それが霊魂に固有なものであろうか、それとも身体に固有なものであろうか、それとも両方に共通なものであろうか、そして、もしそれが共通であるとすれば......」(第一章)

 「さて、我々は何故に人は眠ったり、覚めたりするのであろうか、そしてそれはいかなる感覚によってであろうか......」(第2章)

 「さて、今述べられたことにすぐ続くことは、覚醒と睡眠のはじめは何が生ずる場合に起こるか?また、どこから生ずるかに論及するということである。事実、動物は......」(第3章)

 そこでは、睡眠と覚醒を対立部として捉え、人間と動物、植物、(下等な)貝類等々を対立物として捉え、かつ比較し、その事実を通して様々な問題を提起して、それに対して考え、反問し、という形の思弁が繰り返される。

 (アリストテレスの論述には、色んな意味で感心させられ、おかげで自身の映像を明確なものにしてくれたのではあるが)しかしながら、古代ギリシャという時代性ゆえに.......と。

(続く、本論2回、出来れば討論を(補)として書く予定)

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