19/09/20 17:08
昨日の鍼灸国試模擬試験で、以下の問題が出題された。
問題80 ウォルター・キャノンが提唱した学説はどれか。
1.内部環境の恒常性
2.ホメオスターシス
3.内因性鎮痛機構
4.レイリー現象
この問題、四択問題的には「内部環境の恒常性〜クロード・ベルナール」「ホメオスターシス〜ウォルター・キャノン」と覚えておけば良いし、内部環境の恒常性とホメオスターシスの違いとして、「内部環境の恒常性→ホメオスターシス」とでも覚えておけば正解できる。
それゆえ、「内部環境の恒常性〜クロード・ベルナール→ホメオスターシス〜ウォルター・キャノン」と何度か呪文を唱えて、お終い。となる、なってしまうのが通常であると思う。
しかしながら、クロード・ベルナールやウォルター・キャノンの如くの医学や生理学の歴史上の偉人に関わっての学びがそんな薄っぺらなもので良いのだろうか?と思う。
これは『実験医学序説』(クロード・ベルナール)や『からだの知恵 この不思議なはたらき』(ウォルター・キャノン)を一読レベルででも読んでみれば……。
とはいえ、短い3年間それも働きながらとなれば、仕方の無いことなのかもしれないと……。
実験医学序説 (岩波文庫 青 916-1) | |
三浦 岱栄 | |
岩波書店 |
からだの知恵 この不思議なはたらき (講談社学術文庫) | |
舘 隣,舘 澄江 | |
講談社 |
【この記事は、鍼灸学校の同級生と模擬試験難しかったよなあ、と話していての、彼のクロード・ベルナールについての、「クロード・ベルナール=内部環境の恒常性」という薄っぺらな知識(彼はクラスでは上位の成績であるにも関わらず)に、「さすがに偉人レベルであるクロード・ベルナールにそれはないだろう^^;」とずっこける程に驚かされての、である。
なにゆえにそれを再録かといえば、そのレベルの知識を山程アタマに詰め込んで、「こんな場合もあるし、また別のこんな場合もある、それからこうも言われてるし、ああも言われてる......」と患者に対して、病態を説明しているつもりの、その実、表面的に上滑りしかしていない、なんら対象の構造に分け入って行かない、言葉遊びをしている、そういう偉い先生方(これは皮肉である)の、その原点は、こういう学び、アタマの働かせ方・創られ方にあったのだと、自分で書いたブログ記事ながら、感心させられたからである。
なにゆえに、アタマの働かせ方・創られ方とまで断言するのかといえば、その先生方の手技施術のあり方もまた、表面的で、対象の構造、病の構造に分け入って行かないもの、表面のコリだけを解そうとするおさすり程度のもの、だからである。
現在の(当時の鍼灸学校の?)学びが、患者の病的状態に対して、どれだけ多くの病気を思い浮かべられるかが、診断力の大元の実力である、とされていることからも、また、施術についていえば、必要な限りの少数の技の追求・深まりではなしに多くの技を知っていることを良しとする(抽斗が多い!と)風潮からも、これも仕方が無いのかもしれないとは思う。
先生方は、そういう意味では真面目に教えられる通りに学んだのであるから......。】