蔵象〜原点としての五臓六腑とは如何なる像なのか〜

五臓六腑について考える時、原点に立ち返って捉え返すことの大事性痛感する。

五臓六腑について、これまでは現代の教科書にあるものがそのままに五臓六腑である、として捉えていた。結果として、現実に無いものをあるとして考えていくことに、強烈な違和感を感じながらの五臓六腑の学びとなってしまっていた。

しかしながら、気や陰陽論、五行説を原点に立ち返って考えてみるとまったく違った姿が視えてきたとの反省を踏まえて、五臓六腑についても原点に立ち返っての考えることを行ってみるとまったく？違うものとして五臓六腑の姿が視えてきた、と思える。

五臓六腑というものを観念論的に考えるのでは無く唯物論的に考えるならば、それらは古代中国という時代、社会において誕生させられたものであり、決して最初から五臓六腑なるものがあったわけでは無い、ということに思い至る。

その誕生時の姿を想像してみると、五臓六腑誕生以前の長い長い期間の、人間の健康と病と病の治療の成功と失敗の経験の積み重ねの結果として、またそれらを気や陰陽論、五行説の力を借りて誕生させられたものが五臓六腑=蔵象である。

また、古代中国という時代性ゆえに、それらは現実の内臓の構造・機能ではなく、経験の積み重ねの結果として捉えられた機能と観察出来る範囲の実体としての内臓のありかたとから「こんな働きはこの内臓が受け持っているのではないだろうか」とか「この内臓はこんな働きをしているのではないだろうか」との想像を交えての、気や陰陽論、五行説の力を借りての五臓六腑=蔵象の創出であったのでは、と思う。

そう考えると、五臓六腑は古代中国という当時の時代性としては、そうとしか、つまり観念論的にしか考えようがなかったということであり、それを現代の我々が時代性を無視して迷信、空想としてしまって、そこに含まれる真理を捨て去ってしまうの愚を犯してはならない、と思える。

以上の中味は自身の像として、もう少ししっかりと言語表現する必要がある、と思う。近々、時間をとって再度取り組みたいと思う。