MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

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(討論)東洋医学の原点・原典、「黄帝内経」〜「黄帝内経」如何に学ぶべきか〜

2024-11-19 15:10:15 | 日記
 「素問」「霊枢」の現代語訳を購入した。「黄帝内経」を如何に学ぶべきか?と改めて考えさせられた。

 本日、書店の東洋医学・鍼灸のコーナーで「素問」「霊枢」(「黄帝内経」は現存する?「素問」+「霊枢」だと一般的には言われている。)の現代語訳を見つけて購入した。

 鍼灸・東洋医学を学ぶことを決めてから、あれこれの関連書籍を検討する中で「黄帝内経」については、あちこちで東洋医学・鍼灸の原点・原典であるとの記述に出会い、「黄帝内経」なるものには鍼灸・東洋医学の学びの当初より興味津々であった。

 しかしながら、「黄帝内経」なる書をネットで検索してみると、「黄帝内経素問」「黄帝内経霊枢」「黄帝内経太素」「黄帝内経難経」等々、「黄帝内経」と一口に言ってもいろいろな書名の本が存在し価格も数万円から数千円と様々であったので、どれを買って読めば良いのかが全く分からず。職場の同僚である鍼灸師氏(彼は10年以上も「黄帝内経」の研究会に所属していて、そこの幹部らしいので)に「『黄帝内経』を学びたいのだが、初心者におすすめの本は無いだろうか?」と問うた。

 それに対して、鍼灸師氏曰く「『黄帝内経』は、そんなに簡単に読めるものでも、分かるものでも無い。そもそもが漢文それも古代漢文であるから、まず最低、漢文が読め無ければ話にならないし、かつ中国の古典を分かるには最低限、四書五経の素養が必要である。だから、そう簡単に手を出すべきでは無い。手をつけても迷路に入り込んで迷い続けるだけだから止した方が良い。」と。

 その時は、「そんなものか。先ずは、分かる範囲の東洋医学・鍼灸に関わる書を読んで、鍼灸を実際に学んで、ある程度の実力をつけてからということか、、、。いってみれば、弁証法の初心者がヘーゲルを学ぼうとするようなものなのか???」と十年にも亘って「黄帝内経」を研究してきたと自称する鍼灸師氏のいうことなので、一旦は諦めた。
 
 しかし、である。「旧・東洋医学概論」のまとめをする中で、古代の中国思想、医術は「黄帝内経」に収斂して<東洋医学>となり、現代の<東洋医学>は「黄帝内経」を原点・原典として、派生し、発展してきたものである。との思へとなっていくに従って、「『黄帝内経』を分から無いにしても、ともかく一度くらいは目を通しておきたい。」との思いが次第次第に強くなって行った。

 そこで再度、鍼灸師氏に「『黄帝内経』が難しいのは分かったけれども、ともかく、分から無いでも良いから一度は読んでみたい。原文が古代漢文で難しいというのなら、おすすめの適当な現代語訳は無いだろうか?また、「素問」「霊枢」のどちらから読めば良いだろうか?そして、「素問」「霊枢」と言っても幾つかの篇から成っているが、どこから読み始めたら良いとかあるのだろうか?」と問うた。

 それに対して鍼灸師氏答えて曰く、「現代語訳?『黄帝内経』のまともな現代語訳は無いなあ。どこから読んだら良いかって?う〜〜〜ん、そうだなあ〜〜。」と。また、暫し考えて曰く「『黄帝内経』は、そんなに簡単に読めるものでも、分かるものでも無い。そもそもが漢文それも古代漢文であるから、まず最低、漢文が読め無ければ話にならないし、かつ中国の古典を分かるには最低限、四書五経の素養が必要である。だから、そう簡単に手を出すべきでは無い。手をつけても迷路に入り込んで迷い続けるだけだから止した方が良い。」と。(念の為に付け加えるならば、この鍼灸師氏の説くことは、それ自体としては決して間違いでは無いと思うのであるが、、、。)

 再度の同じ答えであったので、「聞くだけ時間の無駄。」との思いとなって、「ともかく何かを!」と「よくわかる黄帝内経の基本と仕組み」(左合昌美著 秀和システム刊)と「傷寒論を読もう」(高山宏世編著 東洋学術出版社刊)の2冊を取り寄せて読み始めようとしていた。そういう状況での現代語訳の「素問」「霊枢」(新釈・小曽戸丈夫 たにぐち書店刊)であったので、また著者(訳者?)の小曽戸丈夫氏は「漢方の歴史」「針灸の歴史」の著者である小曽戸洋氏の御父君であると聞いており、編者に小曽戸洋氏の名前もあったので、一も二もなく購入した。

 以上、どうでも良いような自身と「黄帝内経」とのこれまでの経緯を書いたが、鍼灸師氏の見解が現在の鍼灸にかかわる人々の一つの典型的な見解であると思えるので、かつ読者の皆さんが「黄帝内経」を読もうと助言を求めた時の反応の一つの典型的なあり方であるとも思えるので長々と書いた。
 しかし、自身の端的な思い・考えとしては、「黄帝内経」の訳文に現在まともなものが無いのならば、ともかく現状の最善と思われるものから始めなければ仕方が無いし、それであっても漢文・中国の古典に関しての素養の無い自身で原文に当たるよりは数倍ましであろう。また、肝心なことは一字一句間違いなく「黄帝内経」を解釈することでは無しに、「黄帝内経」の著者達が言わんとすること、彼らの一般的な像を受け取ることであり、それを鍼灸術の指針として役立ててみることで検証していくことである。のだから、「難しい。現状に良いものが無い。」と立ち止まるのでは無しに、ともかく現状から始めるべきであり、部分の誤りは後でどうにでもなるのだと考える。
 「黄帝内経」についても、いずれは説きたいものと思う。
図解入門よくわかる黄帝内経の基本としくみ (図解入門 東洋医学シリーズ)
左合 昌美
秀和システム
霊枢
小曽戸洋,小曽戸丈夫
たにぐち書店
素問
小曽戸丈夫,小曽戸洋
たにぐち書店

【伏龍、『黄帝内経』の学びの入口でつまずいたようだが、結果として、ともかく一歩踏み出したのは偉い。

「汝の道を行け、そして人をして言うの任せよ!」(ダンテだったかな?)という言葉を送りたい。

神棚の上の古典も、学んでみれば大したことは無い、というか埃も払わずに拝んでばかりいるから開いてみれば虫が食って......自身の鍼灸の実践と認識論の学びとともに、古代中国の時代・社会・人類の、と読み解けば......多くの学びがある、と思う。

参考書としては、『図解入門よくわかる黄帝内経の基本としくみ』(佐合昌美 著)を、『哲学・論理学研究(1・2)』(悠季真理 著 現代社白鳳選書)とともにが良いと思う。

二天】



 
 
 

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